月別アーカイブ: 2018年11月

KIIAN DIGITALインク取扱開始(3)

前回(KIIAN DIGITALインク取扱開始(2))に引き続き、今回はKIIAN DIGITALインクのもたらすメリット・デメリットのうち、メリットについて解説します。

KIIAN DIGITALインクの採用メリット(1)
株式会社サンリュウ

 

■メリットの概要
高濃度インクに帰属するデメリット、「ノズルが詰まり易い」はKIIAN社の高度な分散技術で改善でき、「ドット感が出易い」はグレーインクや RIP処理で改善できます。今回からはメリットの方です。いくつかを羅列してみると、下記のようになります。ここでは皆様が高い関心をお持ちのインク削減量について簡単に記しておき、スタートは、あえて「その他」から入ります。

・高濃度のために使用総インク量を減らせる(コストダウン)
・ヘッド寿命の伸び(インク吐出回数の減少による。コストダウン)
・印刷~転写までのサイクルの短縮(作業効率UP)
・転写紙上で乾燥が早い(巻取が容易、弛んだ部分の擦れ不良の減少、作業効率UP)
・転写紙波うち減少(ヘッドが紙に当たる不良減、薄い転写紙採用可、コストダウン)
・転写率の悪い転写紙、インク受容性の低い転写紙使用可(印刷品質向上)
例えば、微粘着転写紙、ピットレス転写シート(当社特許技術商品)、インクジェット普通紙(※転写紙でない、普通紙を昇華転写用として使用)
・その他

 

■インク削減量の参考値
図のA4サイズ画像を用いて、当社HANAEインクとの比較で、KIIANインクに交換した時の可能な削減量を調べました。結果だけ記します(保証値ではありません)。なお、HANAEインクは、他社インクとの比較で、「メリハリのある高い濃度の出力が得られる」と定評を頂いているインクです。その黒色は、既に高濃度インクです。市場の標準的なインクからの交換なら、削減量はさらに大きくなると思われます。

インク量測定に使用した画像(JIS X9201標準画像を配置)
プロファイル使用 LC/LM有り  29% 削減
プロファイル無し LC/LM有り  40% 削減
プロファイル使用 CMYKのみ   45% 削減

 

■メリット その他
1)高濃度インクでもドット感が少ない
前回はデメリットとして、明るい色領域でのドット感問題を挙げまし。これを翻すようですが、KIIANインクはその特性によって、ドット感問題が低減します。理由は下記です。

インクの多くは、吐出液滴が小さくなると、空気抵抗だけでなく、そのインクの動的弾性率や、静電気などの影響で、着弾位置や大きさが不正確になってきます。インクの動的弾性率は、液滴吐出時にばねが縮むように逆方向への流動が起こることに関わり、液滴の吐出を阻害する要因になります。当社標準のHANAEインクとの比較で、KIIANインクは高いインクジェット印刷適性を持ち、明らかに着弾位置の正確性が向上しています。KIIANインクが同じ大きさの点が規則的に並ぶのに対して、HANAEインクは着弾位置のずれと液滴大きさのばらつきが出て模様を作り、ドット感、ざらつき感という問題を作り出すことがあります。(印刷サンプルを拡大鏡で目視確認、比較しました。以下、比較用の模式図です)

正確な着弾位置のドット(KIIANインク)

 

大きさ、形、位置のずれたドット(標準インク)

 

ドット感が比較的顕著に表れるのはグレー色です。従って、この問題を重要視するお客様にはグレー色の搭載をお勧めします。ライトシアンとライトマゼンタはお客様によっては省略できるのではないかと考えています。他のインク使用時と比較して、KIIANインクは、ライト系インクを使用するにしても、その使用範囲を狭めてもドット感問題が気にならなくなります。ライト系インクの領域を原色のシアンやマゼンタに置き換えられれば、インクコストは大幅に低減できます。

メリット説明をリスト最下段の「その他」から始めたのは、このコストダウンが大きいことを認識していただきたかったからです。次回からは、リスト順にメリット説明をして行きます。