KIIANインクの採用メリット(4)

前回(KIIANインクの採用メリット(3))に引き続き、今回もKIIAN DIGITALインクのメリットについて解説します。

KIIAN DIGITALインクの採用メリット(4)
株式会社サンリュウ

 

■転写紙波打ち減少

濃色ベタ印刷で悩む問題に転写紙の波うち(コックリング)問題があります。インク量を沢山必要とする濃色ベタ部には沢山の水分が存在します。この水分が浸透すれば、プリンターで印刷中に転写紙にコックリングが発生して、その上を往復するプリントヘッドに当たることがあります。

当社はこの問題の解決策としてハイブリッド構造の厚手速乾転写紙を用意しています。紙の中央に樹脂層を設け、水分を吸ってもコックリングを発生し難い構造の転写紙です。他社に無い優れた転写紙で、これ以外の転写紙は使わないお客様もいらっしゃいます。しかし一部には、価格が高いと使用をためらうお客様もいらっしゃいます。これから当社は、コックリング対策として、 KIIANインク採用も選択肢としてお勧めして行きます。転写紙に付着する水分量が減るので、コックリング対策になります。

近年、プリンターの印刷速度は飛躍的に早まっています。このため、前に記したKIIAN インクの採用メリット、転写紙上で乾燥が早いという価値が高まっています。ジャンボロール搭載の高速プリンターの場合は、ロール外径と重量が問題になって来るので、薄い紙でもコックリング問題が起き難い、転写紙波打ち減少という本メリットも注目されることになるでしょう。

 

■転写率の悪い転写紙、インク受容性の低い転写紙使用可

いよいよ、本メリットの解説です。この問題を持つ転写紙としては、インク受理層を設けずコストダウンを計る転写紙、熱融着性を与えるためのホットメルト樹脂を表面に付着させなければならないので十分な受理層を設けられない微粘着転写紙などが代表的な例です。微粘着転写紙は、画像転写時に転写紙と布が加熱圧着するので、ボケが少ない鮮明な転写が出来る、布の伸縮が抑えられるのでゴースト不良発生が少なくなる、などの長所を持つ転写紙です。その使用を希望するお客様が多くいらっしゃいます。にもかかわらず、滲み易さ、画像の濃度不足が微粘着転写紙の普及を妨げていました。この制約を取り除くのが KIIANインクです。

分野が少し異なりますが、Tシャツへの昇華転写では、転写紙の外径の形にシャツ生地が凹む、外形線の跡が凹んで残る問題がありました。転写紙が厚いほど、この問題は大きくなります。では市場にある50g/m2程度の薄手の転写紙を使用したらどうでしょうか?

このような薄手紙の実際の紙厚は60μm超程度になるので、凹み跡を除去することは出来ません。このため当社では透明な極薄フィルムを用いた転写手法(特許申請中)を考案しました。コストを下げるため受理層を塗っていないので、やはりインク量制限が必要になるものです。ここでもKIIANインクが活躍します。KIIANインクを採用することで通常の昇華転写の品質が得られています。この転写フィルムは、転写紙跡が残らず、微粘着転写紙のように生地に貼り付くので鮮明な画質が得られ、透明なので位置出しが容易などの特長がある、当社の命名で「ピットレス転写シート」と呼ぶものです。今後、このフィルム程度まで薄くした転写紙が出現するかも知れませんが、薄くなるほど熱プラテン上昇時に浮き上がって、横にずれ落ち易くなります。ゴースト発生リスクが高まるので、当社特許品と同じ結果は期待しにくいと思われます。

転写後のTシャツ生地に残る、転写紙外形に沿った凹み跡

 

さて、通常の昇華転写紙に戻ります。市場で用いられる転写紙は、より薄く、低コスト化が進んでいます。インク受理層コートは省略される方向に進んでいます。当社では、KIIANインク採用をご検討いただくことは、時代に沿ったものと捉えています。たまたまこのインクに接する機会を与えられた当社は、皆様により強くお勧めすることがその責務と捉えています。

 

 

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