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「売らないシステム」のご紹介

今回は「売らないシステム」のご紹介です

写真のシステムが何か分かりますか?

写っているプリントヘッドは固定型ラインヘッドです。そうです。これは当社が開発して、国内だけでなく米国輸出も開始した可食インクを搭載したフードプリンターです。

フードプリンターは販売商品ですが、ご紹介する搬送システムは販売品ではありません。水平方向に細長くガイドが伸びているものが搬送システムです。これが、今回ご紹介する売らないシステムです。

では、何のためのご紹介でしょうか?皆様にとってのメリットは何になるのでしょうか?このような疑問を持たれるのは当然です。答えはこのようになります。

前回は、当社技術者による Monti Antonio社 M-76型転写機の出荷前確認作業やMonti Antonio社との歩み をご紹介しました。問題の無い確かなものをお客様にお届けしようとする当社、株式会社サンリュウの姿勢をお伝えするためでした。今回の搬送システムは、分速30m以上の高速プリントが安定して持続できるのかを実証するための社内テスト目的で開発したものです。

今回も前回と同じく、当社の顧客本位の姿勢をお伝えしようとご紹介する記事です。

 海外へフードプリンターを販売する時には、各地域ごとに使用できる、承認された色素が異なります。当社の日本製インクは海外では販売できません。米国輸出時には、米国で承認された色素でインクを用意しなければなりません。インクメーカーとの共同開発になります。搭載するヘッドに合わせた吐出用波形を用意して、インク粘度も調整します。試作した新しいインクは、印刷適性をチェックしなければなりません。
今回ご案内している搬送システムを活用して長時間の連続印刷を行い、インクの安定性を確認するのは当社の役割です。

 このように書き始めていたのですが、海外代理店に当社の様子を伝えた所、自分たちのデモ機でも同じような確認テストを出来るようにしたいと引き合いが入りました。この記事が載った頃には、海外への販売が決まっているかも知れません。「売らないシステム」は、「売ることもあるシステム」に訂正が必要になるのでしょうか。

Monti Antonio社との歩み

「貴社の転写システムを日本で販売できないかどうか、問い合わせしました」

こう、インターネットで検索して見つけたイタリアの Monti Antonio社に問い合わせを入れたのは 2002年の11月です。もう16年前になります。以後、直輸入を開始して、大型フラットベッドタイプから輪転高速機までの様々なタイプのシステムを日本で販売してきました。写真のシステムは小型輪転リボン布用転写システム、M-76型です。

ご覧の写真のように、納入前には、当社技術者が出荷前の確認作業を行います。当社の自慢は、15年のアフターサービス必要期間でメーカー技術者の出向要請をしたことが一度しかないということです。その一度も、顧客へ納入後にシステム中心部まで分解しなければならないメーカーのヒーター組み込み不良によるもので、通常のアフターサービスでは必要の無いレベルの物でした。通常のアフターサービスでは、大型輪転システムのフェルト交換作業などを含め、豊富な経験を持った社内技術者が対応しています。

 現在は、Monti Antonio社システムを取り扱う他の商社も出てきています。それでも、少なくないお客様から、営業をしないでもご購入の際にご指名頂ける理由を、20年以上前に取り組んだインクジェット昇華転写印刷のカラーマネジメント技術を含めた当社技術サポート力と捉えています。「しわが発生するので下紙が悪い。もっと薄いものが良い」と訴えてこられたお客様がいらっしゃいましたが、当社サービス技術者がシステムの使用方法をアドバイスした結果、同じ下紙を問題なく使えるようになった例などもあります。

https://www.youtube.com/watch?v=n-JaE9UcqII

ここで、新規に転写システム導入をご検討に皆様に是非ともお伝えしたいことがあります。他社の転写システムと比較すると、Monti Antonio社システムは高価です。迷われると思いますが、予算が取れるのであれば絶対お勧めです。当社のお客様で、導入後にシステムに苦情を言われるお客様はいらっしゃいません。予定されたご商売が無くなったところ以外は、ほぼ満足され、多くが二台目以降もMonti Antonio社システムを導入されています。

 当社も、昇華転写印刷取組み時期にアジア製の廉価なシステムを取り扱ったことがあります。それなりの活用はされたのですが、比較すると頻繁な故障対応が必要な上、品質が限定されていました。当社の顧客で、高い印刷品質で各社の目標になっているお客様も、お使いのシステムはMonti Antonio社のものです。このシステムをお勧めしているのが(株)サンリュウであるということをご検討材料の中にお加えください。

→ さらに詳しく Monti Antonio社の転写システム について

 

 

小型熱プレス機用Tシャツ拡張フレーム『転写用楽枠ライト』

小型熱プレス機でオリジナルTシャツ作成に使うとすごく便利! な、Tシャツ拡張フレームをご用意しました。作業時の効率アップが見込め、火傷避けにも効果があります。特に、熱プラテンを上下旋回開閉する機種の場合は、上下空間が狭いので効用大です。

Tシャツに、転写用楽枠ライトを装着して転写機へ→ 装着したまま熱プレス→ 装着したまま取り出しで、作業効率UP!

 

小型熱転写機で昇華転写/カラーコピー転写でのオリT作成用拡張フレーム

 

皆さんは、熱プレス機テーブルにシャツを載せて、プラテンに触れて火傷しないよう気をつけながらシャツを広げる作業をされていると思います。

 

Tシャツを綺麗に広げて転写機に載せないと、しわ等で転写失敗することが…

でも転写作業時は高温になってるのでTシャツを広げるのがけっこう大変。

 

又、テーブルにシャツを載せてからでないと、シャツを広げる作業は始められません。外段取りで作業が出来なければ、一着当たりの作業時間を短くすることが出来ません。

Tシャツ拡張フレーム『転写用楽枠ライト』があれば外段取り可能に

 

この外段取りを可能にするのが、Tシャツ拡張フレーム『転写用楽枠ライト』です。熱くなった熱プレス機テーブルでなく、通常のテーブルでのシャツ拡張作業が出来、そのまま熱プレス機テーブルへ移載できるので火傷のリスクも最小になります。垂直プレス水平移動方式でなく、あおり式とかヒンジ式と呼ばれる熱プラテンを上下旋回開閉する機種の場合は、開いても上下空間が狭いので効用大です。

熱くなった熱プレス機テーブル上でなく、火傷の心配のない場所でシャツ拡張作業が可能

 

下記の用途への採用をご提案します。

1)シャツ前面、背面への画像転写用途
2)脇部への画像転写用途
3)拡張作業の外段取りで高速作業用途
4)転写紙跡を無くす「ピットレス転写」用途

Tシャツ拡張フレーム『転写用楽枠ライト』のサイズは、シャツに合わせてSサイズからXLサイズまで伸縮可能です。ご採用の場合は、転写中に前処理や後処理作業を行えるよう1本でなく複数本ご購入いただき効率化を図るようお勧めします。シャツを拡張して待機させても、フレームは縦置きで重ねられるので広い場所を占有しません。特注サイズ、特注形状にも対応可能です。ご相談下さい。

 なお、「ピットレス転写」は、当社開発の特許申請中の技法で、ポリエステルTシャツへ昇華転写した時に、転写紙の形にシャツが凹んで跡が残る問題を解決する技法です。これについては、後日、又詳しく解説します。

 

★同業者様へのご注意
転写用楽枠ライトは、その使用法などに関する特許申請をしています。同様商品を発売される場合はご注意ください。なお、申請間もないので、特許は未だ公開されていません。

 

※2018.8月に小型熱プレス機用Tシャツ拡張フレームの商品名称を変更しました: 楽枠ライト → 転写用楽枠ライト

 

 

 

 

 

 

(株)サンリュウの昇華転写への軌跡

このたび、当社は、販売する昇華転写紙のメーカーブランド名を公開することにしました。メーカーは製紙工場をオランダに持つ Neenah Coldenhove (コールデンホフ)社です。Neenah Paperの子会社です。

https://www.coldenhove.com/
https://www.neenahpaper.com/

■当社は製造設備を持たない

当社は商品仕様設計は行いますが、製造は行いません。製造設備を持ちません。米国への輸出を開始したオリジナル商品・フードプリンタ(写真)も、ヘッド、基板、RIPソフト、などを選択して品質と性能確認を行ないましたが、仕様決定後は機械製造を外注委託しています。インクや転写紙のような資材も、開発段階での協力はしますが製造はせず、メーカーからの仕入れ販売です。

■ブランド名に関する当社の戦略
販売時のブランド名は、当社の独自ブランドにするのが基本です。当社の名前が市場に対してより価値があることが前提です。ただし、メーカー名を出した方がメリットがある場合は、メーカーのブランドを用います。

 

例えば、床用広告ツールは「フロアデコ」という商品名でスタートしましたが、

早い時期にメーカー名の「フロアウィンド」(写真)に変更しました。当社の役割が小さな商品だったからです。

■当社の先進性
当社がインクジェット捺染印刷への取組みを開始したのは、ほぼ20年前です。業界の草分け的存在であり、「サンリュウの扱う資材だから、RIPだから買う」と言っていただけるくらい、導入先進技術へ高い評価を頂いて来ました。この先進性については、現在の市場を見るとお分かりいただけるのではないでしょうか。

創立以来23年間販売を続ける ErgoSoft RIP(写真)は、今や日本の各プリンタメーカーが、その簡易版をプリンタに標準搭載するようになってきています。

 

  

 

MontiAntonio社熱転写機(写真)を早くから持ち込んだのも当社です。

    

 

■Coldenhove社の昇華転写紙
Coldenhove社は1661年設立の歴史あるオランダの製紙メーカーです。当社は、昇華転写紙の開発後間もない時期である19年前に輸入販売を開始しました。昇華転写紙の特許を取得したColdenhoveは、ロイヤルティを得て、他の多くの転写紙メーカーに、基本特許を供与している立ち場にいます。自社商品の品質は、当然トップレベルにあります。

そのColdenhoveが今でも、新商品発売、商品仕様変更などの時は、世界の代理店の中から真っ先に当社にサンプルを提出して、品質確認テストを依頼して来ます。「転写紙を使いこなすための経験と知識を持っている」との評価からです。日本市場でもこの点に信頼を頂き、サンリュウブランドが支えられています。

■市場の拡大と新たな展開  (アパレル業界への拡販)
市場は変化を続けています。サイン業界での昇華転写は行き渡り、年率三割を超える勢いで売上げが伸びているのが世界のアパレル業界向け転写紙です。当社のアパレル業界での知名度は高いと言えません。このままでは、代理店としての責任が果たせません。ここでは、Coldenhoveの世界でのブランド力の高さを活用しない手はありません。現在は、「Coldenhove転写紙」と検索しても当社の社名が出てきません。このマイナスを解消するため、「Neenah Coldenhove」というメーカー名を公表することを決めました。従来商品の変更はありませんのでご安心ください。

■今後について
転写紙段ボール箱表側ラベルを、当社が国内で貼り換えていましたが、今後はメーカーのラベルをそのまま残します。原油価格上昇があって世界的に用紙は、値上がり傾向にあります。仕入れコストに応じた値上げは避けられない部分がありますが、ラベル貼り換えコストの排除などを、値上げ幅抑制に生かして行きます。

上に挙げたものの他にも、当社が業界に先駆けて取り扱いを開始したの商品で、その後に業界各社が追随する例が後を絶ちません。資本主義経済の競争が促進されるのでこれは、歓迎です。技術力を磨き、当社はさらに先に進み続けます。新しい考案は特許申請をしています。世界を網羅する情報網を活用して、最先端の確かな商品を市場に紹介して行きます。皆様とアイディアを分け合いながら道を切り開き、共に発展して行きたいと考えています。