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馬救出作戦の記念碑を昇華転写アルミ板で

作成事例:Coldenhove社の昇華転写紙を使用した屋外設置アルミ金属プレート

1m x 2mオーバーの屋外用昇華転写アルミ板22枚使用の大型モニュメント

 


はじめに:dobbepaarden ウマ救出作戦について

Rescue of 200 horses by 7 women in 2006 youtube動画より抜粋

2006.10.31 オランダ北部。大嵐による洪水が発生、小さな高台で150~200頭以上(※諸説あり)の馬が孤立。多くの人々が馬を心配し救出を願った。残念ながら衰弱や溺死により少なくとも19頭が死亡。

最初のボートによる救出作戦は仔馬を含む20頭の救出に成功するも、その後ボートが浅瀬に乗り上げ失敗。

ボートで餌を運ぶことには成功しつつも救出がうまくいかないまま日数が経過し状況は悪化。数日後、多少水が退いたことで浅瀬を使った別の救出手段を試すチャンスが到来した。

潜水服に身を包んだ消防士達が浅瀬を探り脱出ルートを決定。脱出ルートは水深1~2mの浅瀬を通るように設定された。

馬に乗った数人の娘が志願。海を渡って近付き、馬を陸地まで誘導する作戦が開始された。男達は海に入りそれぞれが浅瀬の誘導ポイントで待機。緊張しながら女達と馬が戻って来るのを待った。

誘導に失敗して深みにはまれば、溺死してしまうのだ。
そして……。

 

(※リンクした動画の最初は説明で、浅瀬救出作戦は1分25秒~です)

馬に乗った女性達をはじめ多くの人々の努力により、浅瀬を使った馬達の救助は成功した。

 


 

この栄誉を称えるため記念碑の作成が行われることに。

馬達が取り残された現場近くへの7kmの歩道が整備され、昇華転写用アルミ製パネルで記念碑が設置されることになりました。

記念碑施工を請け負った広告看板製作業界大手のA社は、当初は他社の転写紙で検討。しかし他社の転写紙では以下の問題に対応できず、Coldenhove社のDHS昇華転写紙に変更することになりました。

Coldenhove社

1.コックリングの問題
記念碑には濃い黒の発色が必要とされました。大量の黒インクを受け止めるためには転写紙の厚みや重さが重要です。

インクを大量に使うと転写紙の厚みが薄い場合はコックリングが発生し、プリントヘッドをこすってしまうからです。ヘッド位置を高めにすることでも対処は可能ですが、そうすると”ぼやけて”画質が低下してしまうのです。

広告看板製作業界大手のA社には画質低下は受け入れがたいことでした。ここでColdenhove社の厚手昇華転写紙を使用することでコックリングの問題はやっと解決しました。

 

2.ゴーストの問題
アルミ製パネルの昇華転写時には、熱転写機からの高熱でアルミが伸縮します。金属転写の場合、大型サイズの転写になるほど熱伸縮の影響が大きくなり、コーナー部分でのゴースト発生が問題となります。

金属の伸縮に追随できない転写紙だとどうしてもゴーストが大きくなります。伸縮性に優れているColdenhove社の厚手昇華転写紙を使うことで、ゴースト発生の問題が解決されました。

 

Coldenhove社 大型昇華転写紙の製造場面

 

A社が導入している大型ヒートプレス機。おおよそ122 x 244 cmサイズまでの転写紙を使用可能
これから昇華転写用アルミパネルへの転写を行う

転写済パネルを床で仮組みしながら、配置確認用の小型印刷を見てチェック中

22枚もの大型アルミ昇華転写パネルを組み合わせてゆく

アルミパネル転写後、土台も含めて作業は続き、そして現地へ

ラミネート処理も施された2tの重量にもなる記念プレートを施工

 

施工が完了。救出されてゆく馬がプレートに描かれています

左に見えるのは馬に乗った先導役の女性でしょうか

海を駆け抜ける馬達の勇姿がここに刻まれたのです

 

 


 

関連リンク

Artwork dobbepaarden has finally arrived after 13 years, presentation on Friday

https://www.omropfryslan.nl/nl/nieuws/904578/kunstwerk-dobbepaarden-is-er-na-13-jaar-toch-gekomen-vrijdag-presentatie

dobbepaarden ウマ救出作戦と記念碑作成/完成式典に関する2019年の記事。記念碑アップの画像が冒頭にあります。関連画像や動画なども。

 

 

デコラル瓦版14:vsラミネート

デコラル瓦版(NewsLetter)ではアルミなどの金属へ複雑な形状へのパウダーコーティング(粉体塗装)と昇華転写技術を合わせたシステムの製造を行うメーカーDecoral社の加飾物や技術をご紹介します。

今回は、粉体塗装とラミネートを比較してご紹介します。

前回までのような施工例や個別商品の紹介ではなくて、デコラルシステムのパウダーコーティング(粉体塗装)とラミネートとのコスト比較、技術解説とデコラル社の紹介やPRなどを含む瓦版です。

デコラルシステムでアルミや鉄などの金属に粉体塗装を

デコラルシステムは、アルミニウム(スチール製の場合も)などの金属へ複雑な形状へのパウダーコーティング(粉体塗装)と昇華転写技術を合わせたシステムです。

そのため、前回までの施工例や個別商品の紹介の時点では外観が完全に木目調(※というか外見からは木材と区別がつきにくいぐらい)や、全面フルカラー画像になってたりしています。

それに対し、今回のデコラル瓦版では元々のアルミ製の基材の写真(画像を見てみるとどの基材も金属特有のメタリックな銀色のようですね)や、パウダーコーティングを塗装中と思われるイメージ写真などもご紹介しています。

 


粉体塗装は平均で 30%~40% も安価

 

粉体塗装の生産ラインはより自動化され、労働生産性が高い

 

デコラルシステムでアルミや鉄などの金属に粉体塗装を

粉体塗装された金属へ木目調の昇華転写も完了した完成品アルミ材の取り出し

 

店舗正面への木材風アルミ材の施工例

デコラルの昇華転写アルミ材を木目風の屋外向け建材として使用

ラミネートは基本的に屋内専用品が多く、それに対し粉体塗装は屋内でも屋外でも使用可能

 

複雑な形状の金属にデコラルシステムで昇華転写

粉体塗装表面は完全に覆われているので、ラミネートのように簡単に欠けたり剥がれたりしない

 

 

パウダーコーティング(粉体塗装)とラミネートのコスト比較

パウダーコーティング(粉体塗装)はラミネートの代替技術として、幅広いアプリを提供しつつコストを抑え、製品の質を高めます。

ここで解説するデコラル社の装飾技術を使い、あなたの想像力の限界に挑む、最高の製品を作ってみませんか。

 

粉体塗装と比較すると、スタンダードなラミネートは用途と最終製品の結果においてかなりの制限があります。以下に、ラミネートと比較した粉体塗装の利点を説明していきます。

屋外への施工例(木材風アルミ材)

粉体塗装(パウダーコーティング)とその他の選択肢

様々な技法と選択肢が商品表面の保護と美観向上のために考えられます。そのうちのポピュラーな選択肢としては、粉体塗装とラミネートの2つでしょうか。どちらにも長所と短所はありますが、以下に粉体塗装がラミネートや他の選択肢よりも優れている理由をあげていきます。

 

強度があるので穴あけや切欠き加工が可能

 

粉体塗装の比類なき耐久性

粉体塗装は信じられないほど堅牢で耐久性のある表面を作り出します。粉体塗装された表面は傷みに強いのです。それに対しラミネートは経年劣化で傷がついたり、一部剥がれたり、欠けたり、全面的にラミネート部分だけ剥がれ落ちたりしやすくなります。粉体塗装はこの特性により、屋外向け家具や他の過酷な環境にさらされるような製品の表面に最適なのです。

屋外への施工例(木材風アルミ材)

 

粉体塗装は均一な表面仕上がりが可能

粉体塗装は継ぎ目なく均一な仕上げを提供します。そのため粉体塗装でコーティングされた素材の質感や構造を本当の意味で引き立てます。しかしラミネートは目に見える継ぎ目や縁ができやすく、見た目が悪くなることがあります。

 

粉体塗装で可能になる幅広い選択肢

粉体塗装は、幅広いレンジのカラーオプション、表面質感(テクスチャー)、仕上げを誇ります。この特長により、お客様の美術的な嗜好をはじめとした様々なニーズに合わせて製品をカスタマイズすることができます。一方、ラミネートの場合は多少のデザインの汎用性を備えていますが、いずれの項目も粉体塗装よりも限られた範囲でしか提供されていません。

アルミ製ドアを大理石風+木目調に施工

保安室アルミ金属ドアを大理石風ドアに

 

エコロジカル

粉体塗装はエコロジカルな選択肢です。溶剤を使用せず、揮発性有機化合物 (VOC) を殆どまたは全く発生させず、廃棄物も最小限に抑えます。これは、VOCを含む溶剤を使用するタイプのラミネートよりもはるかにエコロジカルです。

 

より高い耐性

粉体塗装された表面は、湿気、過酷な日光、化学薬品に対して優れた耐性を示します。その驚くべき耐性により、粉体塗装は屋内向け用途にも屋外向け用途にも最適です。逆に、ラミネートは一般的に屋内でのみ使用され、粉体塗装と同等の耐性は備えていません。

 

バルコニーに木目調アルミ製手すりを設置

バルコニーに木目調アルミ製手すりを設置

 

デコラルシステムのパウダーコーティング(粉体塗装)が選ばれる理由

デコラル社には誇りがあります。粉体塗装業界の革新者であることの誇りです。デコラル社はこの業界でほぼ50年の経験、画期的な革新技術、そして数々の受賞歴を持っています。それらは以下のような技術やノウハウとして結晶化していると言えるでしょう。ぜひデコラル社のパウダーコーティング技術と製品に実際に触れて、体験してみてください。

最先端の技術:デコラル社は常に研究開発に投資し、卓越した製品を提供できるように努めています。70件以上の登録特許を持ち、業界をリードするソリューションとデコレーションプロセスを洗練させる技術開発の最前線にいます。

オーダーメイドソリューション:すべてのプロジェクトに万能なソリューションはありません。私たちはあなたと緊密に協力し、あなたのデザインの好みに合った粉体塗装ソリューションを見つけるお手伝いをします。光沢仕上げでもマット仕上げでも、完璧なソリューションを見つけるお手伝いをします。

プロフェショナリズム:熟練した専門家チームが粉体塗装の技術に習熟しており、すべてのプロジェクトに対しふさわしい注意を払って行われるようにしています。

 

粉体塗装のメリットを今すぐ体験してみてください

粉体塗装は、ラミネートなど他のソリューションに比べ多くの利点があります。耐久性、耐衝撃性、ひっかき耐性等に優れ、より多くの色、質感(テクスチャー)、仕上げのタイプを選択できます。また、エコロジカルでメンテナンスも簡単です。

ですから、ぜひ最高の選択肢であるデコラル社の粉体塗装を選び、卓越した耐久性、美観、パフォーマンスを体験してください。

粉体塗装のプロセスとそのメリットについてもっと詳しく知りたいですか? 粉体塗装に関するご質問があれば、ぜひお問い合わせください。

 

 

 

 

デュラ瓦版5:アルミ多孔パネル

デュララックス瓦版(NewsLetter)ではパウダーコーティング(粉体塗装)でデジタル印刷と建材の融合に新たな可能性を持つ、昇華転写用耐候建装材『Duraluxe(デュララックス)』の加飾物や技術をご紹介します。

デュララックス瓦版5:アルミ多孔パネル

今回は、多孔(パーフォレート)加工されたDURALUXE昇華転写用アルミ製多孔パネルのご紹介です。なお、これは海外での施工例です。

DURALUXE昇華転写用アルミ製多孔パネル

DURALUXE昇華転写用パーフォレート加工アルミ製パネル

パネルサイズは、48’x96’x0.063’インチ(約122cm x 244cm x 厚さ1.6mm A5052アルミ合金)他。クリアーのタイプとサテンタイプがあります。インテリアにもエクステリアにも使用可能です。

 

DURALUXE昇華転写用アルミ多孔パネルの説明

右:一枚板のアルミパネルへ同一のフルカラーデジタル画像を昇華転写した場合の図に対し、左:多孔パネルに仕上げた場合のイメージ

 

片面だけでなく、両面にDuraluxe粉体塗装があり、表裏、両面へそれぞれ別画像の昇華転写も可能。

DURALUXEパーフォレート加工パネルは、壁面に、柱に、シーリングに、仕切り板に、エクステリアにすぐお使いいただける商品です。

様々な使い方が可能です。ディスプレイに、サイネージに、電気製品の囲いに、アトラクティブなオブジェに、農業に、空調システムに、自動車業界に。フルカラーグラフィックを昇華転写したアルミ製多孔パネルをご活用ください。あなたのアイディアと創造性で独自のカスタマイズが可能です。

 

昇華転写用パーフォレート加工パネル

  • インドア用途にもアウトドア用途にも
  • Duraluxe粉体塗装へ昇華転写が可能
  • 建材用パーツとして組込み
  • 防音璧やシーリングに
  • サウンドコントロール用のアコースティックパネルに
  • 光源を遮る日除けサンシェードに
  • プライバシー保護に
  • HVAC暖房換気空調システム用のエアディフューザーに

 

 

DURALUXEシステムで金属に様々なタイプの表面加飾を施された建材や建築物が施工されています。ぜひお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

デュラ瓦版4:アルミ縞板パネル

デュララックス瓦版(NewsLetter)ではパウダーコーティング(粉体塗装)でデジタル印刷と建材の融合に新たな可能性を持つ、昇華転写用耐候建装材『Duraluxe(デュララックス)』の加飾物や技術をご紹介します。

デュララックス瓦版4:アルミ縞板(しまいた)パネル

 

今回は、足用滑り止めが付いたDURALUXE昇華転写用アルミ製縞板プレートパネルをご紹介します。なお、これは海外での施工例です。

 

DURALUXE昇華転写用アルミ製縞板プレートパネル

DURALUXE昇華転写用アルミ製縞板プレートパネル(左がライス型縞/右がダイヤモンド型縞)

クリアーのタイプとサテンタイプがあります。

材質がアルミなので、スチール製の縞鋼板のアルミ版であり、アルミ縞板(しまいた)、アルミ板滑り止めにあたる商品です。

パネルサイズは、48’x96’x0.079’インチ(約122cm x 244cm x 厚さ2mm)

縞板は縞板ですが、フルカラーグラフィックを粉体塗装アルミ板に昇華転写して使用可能な縞板なので、床板としてはもちろん壁やドアに貼り付け(穴あけしてねじ止めも可能)ての使用も想定されています。

 

エンボス加工された浮き出しは、ダイヤモンド型縞 (DIAMOND PANEL FINISH) のタイプとライス型縞 (RICE PANEL FINISH) のタイプがあります。ライス型縞は小さく比較的平らかな模様なので、床板として使う場合など人間の靴などに対しての滑り止めにはライス型縞ではなくダイヤモンド型縞が推奨です。

ダイヤモンド型縞 (DIAMOND PANEL FINISH)

ダイヤモンド型縞

 

ライス型縞 (RICE PANEL FINISH)

ライス型縞

 

車を入れるガレージの壁をDURALUXEアルミ縞板パネルでカスタムデザインに。デジタルグラフィックを昇華転写可能なアルミ製縞板プレートです。

車庫の壁への施工例車庫の壁への施工例

 

ドアに設置してドアプロテクト、キックプレートに(万一お客がドアを蹴ってもアルミ製パネル部分が保護となり、頑丈でより壊れにくいドアになります)。

ドアプロテクトとしての施工例

ドアプロテクトとしての施工例

 

フルカラーグラフィックでカスタムデザインされた羽目板(エンボス加工が可能)を床面や壁面に。レストラン、フィットネスやスポーツジム、ビジネスに、病院、屋外バーベキュー場にも。簡単に貼り付けやねじ止めでの設置が可能です。

床や壁面への施工例床面や壁面への羽目板としての施工例

 

DURALUXEシステムで金属に様々なタイプの表面加飾を施された建材や建築物が施工されています。ぜひお問い合わせください。

 

 

デュラ瓦版3.5:銀塩からDuraluxeへ

デュララックス瓦版(NewsLetter)ではパウダーコーティング(粉体塗装)でデジタル印刷と建材の融合に新たな可能性を持つ、昇華転写用耐候建装材『Duraluxe(デュララックス)』の加飾物や技術をご紹介します。

デュララックス瓦版3.5: 銀塩写真プリントからDuraluxeへ

Duraluxeプレートの特長

「Duraluxe(デュララックス)プレートって何? フォトフレームに使えるの?」

メタル昇華転写プリントDuraluxe:静電塗装アルミ板

写真スタジオやフォトギャラリー様からの問合せがくるようになりました。銀塩写真プリントからDuraluxeプレートへの代替需要が増えているように思います。

理由は、以下が挙げられるでしょうか。

長期保存性の比較:写真プリント紙と塗装アルミ板

銀塩写真プリントは、紙にプリントされた写真なので、経年劣化によって色褪せや黄ばみが発生し、また、水濡れや摩擦によって破損する可能性があります。

一方、塗装アルミ板(Duraluxeプレートもこの一種)は、昇華転写された写真なので、長期保存性に優れています。

表面加工により耐スクラッチ性も有しています。そのため、記念写真やアート作品など、長期に保管したい写真に適しています。

 

ウレタン塗料を使った静電塗装アルミ板Duraluxe
高い耐候性を持つ構造上の理由について

市場にはポリエステル塗料を使ったメタル昇華転写プリント系のアルミ板も出ています。先行する他社のアルミ板でなく、当社への引き合いが増えているのは耐候性の差ではないでしょうか。思い出を何十年も持たせたいというお客様の希望や期待が大きいように感じます。

 

建材で世界では屋外15年~20年保証までしているdecoral社の金属プリント系商品は、ウレタン塗料(粉体塗料)を使っています。

そして看板業界では他に類のない耐候性を誇る静電塗装アルミ板であるメタル昇華転写プリントDuraluxeもウレタン塗料(粉体塗料)を使っています。(ちなみにDuraluxeは、decoral社の関連会社商品です)

入った色素を長期間いかに安定させておくか?という課題に対し、塗料に含まれる紫外線吸収剤の質や量が大きく貢献しています。さらにポリエステル系でなくウレタン系塗料の選択により、他にない長期耐候性が得られていると言えるでしょう。

 

 

また、Duraluxeは高い物理強度を持っています。そのためDuraluxeは昇華転写後の金属プレートを折り曲げ、穴あけ、外形カットをして使用することができます(ポリエステル塗料系のメタルプレート製品ではこれは困難だと思います)。

両面に昇華転写した後で折り曲げて使うフォトフレーム(写真立て)は非常に取り扱いやすい商品です。

昇華転写後に穴あけをして吊り下げたり、カッティングマシン(CNCルーター)などで好きな形に外形カットをして使用できるのもDuraluxeの物理強度が高いからです。

 

 

関連会社であるdecoral社の施工した北欧の駅外壁

長期耐候性が求められる屋外施設外壁、金属板に画像が昇華転写されている

 

建材の場合、屋外で5年しか持たない耐候性保証では短いです(屋内用の建材としてなら長期に使えるかもしれません)。それに対しdecoral社には、アルミや鉄などの金属に木目や大理石模様を昇華転写し世界で15年や20年保証しているウレタン塗料まであります。Duraluxeも同様の特別なウレタン塗料を使用しており、長い耐候性を持っています。他社様の貼り付けるタイプの屋外看板用ビニールを使用した商品よりも、Duraluxeは高い屋外耐候性と強い物理強度を持つと自負しています。

 

多様な表面仕上げと高品質な仕上がり

Duraluxeプレートは、高解像度で鮮やかな色合いの写真がプリントできます。またマット系/光沢系を含み非常に多様な表面仕上げが可能です。

表面に各種の加工を施すことで麻布のような微細な凹凸を加える、サテン生地のような上品な質感、乾燥したひび割れた大地のような立体的な縮み模様にするなど、様々なバリエーションでの立体感のある仕上がりにすることも可能です。

そのため、写真の美しさをより引き立てることができます。

 

Duraluxeプレートを使ったフォトフレームのメリット

Duraluxeプレートは、フォトフレーム用途としても優れたメリットを備えています。(Duraluxeは、紙を使った銀塩写真プリントとは違い、デジタル画像を昇華転写できる塗装アルミ板です。

軽金属で塗装面を含め手荒に扱っても比較的破損しにくい物理強度を持つため、屋外にも持ち出して使えるフォトフレームとして様々な用途に使えます。

炎天下の屋外フェスで使用するとか、キッチンカーの食品メニューパネル看板に使うとか、今までになかった用途で使えるかもしれないですね)

最近は光沢タイプより、3種類のマット系が人気があるようです。お客さんの好みでマット、サテン、キャンバスを選ばれることが多いです。

デュララックス瓦版3でご紹介した、お客様がお持ちの昇華インク/昇華転写紙と熱プレス機でそのまま使える金属転写板Duraluxeアルミ昇華転写用ブランクプレートは長方形だけでなく、正方形、円形、楕円形などの形状も取り揃えています。これも、物理強度が高いので可能になっている部分でしょうか。従来だとどうしてもA4とかA3などの長方形タイプの形状のみになることが多かったように思います。

大型熱転写機に張り付け、アルミ金属製の頑丈な銘板としての使用例他

軽量で持ち運びやすい
アルミニウム金属を使用のため、耐久性が高く、長く使用できる、水に濡れても破損しにくい、汚れても拭き取るだけで簡単にお手入れできるなどの特長があります。

お子様の七五三や成人式などの記念写真、家族旅行やペットとの思い出など、大切な写真を飾るのにも最適です。

Duraluxeプレートの活用事例

Duraluxeプレートは、写真スタジオやフォトギャラリーだけでなく、広告/大型屋内装飾やインテリアの加飾など、以下のような場所で様々に活用されています。

ホテルや旅館
結婚式場や披露宴会場
企業のオフィスやショールーム
商業施設や公共施設

 

アルミ昇華転写用Duraluxeプレートは、高品質で長期保存性に優れたアルミ昇華転写技術です。屋内外の様々なシーンで活用されています。

Duraluxeプレートは、ウレタン塗料(粉体塗料)を使った静電塗装アルミ板です。ウレタン塗料(粉体塗料)を使った静電塗装は、ウレタン樹脂を溶剤に混ぜて作られた溶剤系の油性塗料や水性塗料(外壁や屋根の塗装等に使用される)とは別物です。

Duraluxeプレートは建材用途(主として屋内用)でも使えますが、デジタル印刷の金属転写を看板用などとして使用するなら屋外で最高級レベルの商品です。

 

 

 

 

デュラ瓦版3:ブランクプレート

デュララックス瓦版(NewsLetter)ではパウダーコーティング(粉体塗装)でデジタル印刷と建材の融合に新たな可能性を持つ、昇華転写用耐候建装材『Duraluxe(デュララックス)』の加飾物や技術をご紹介します。

デュララックス瓦版3:

Duraluxeアルミ昇華転写用ブランクプレートのご紹介。

ブランクプレートだけでメタル転写可能!

インクジェット昇華転写プリントシステムの一例

ブランクプレートはお客様がお持ちの昇華インク/昇華転写紙と熱プレス機でそのまま使えます。

 

Duraluxeは建材用途(主として屋内用)でも使えますが、デジタル印刷の金属転写を看板用などとして使用するなら屋外で最高級レベルの商品です。

今回ご紹介のブランクプレートは、最小サイズ 円形3″(直径約76mm)~ 正方形と長方形の各種サイズ ~ 最大で楕円形20×24″(短径長径 約508mm x 610mm)サイズで、各種表面加工(在庫品6種類)を取り揃えています。様々な用途に使える昇華転写用金属プレートです。

今までもDuraluxe社の昇華転写用メタル、ウレタン塗料を使用した静電塗装アルミ板であるDuraluxeプレートに関して色々ご紹介してきました。なぜ屋外対候性が高いのか、物理強度が高いのか等の技術解説や、デジタル画像データをご入稿いただき、各種Duraluxeプレートへ昇華転写したり、出力したものの用途について等のご紹介が多かったと思います。

今回はブランクプレートに関するご紹介です。まだ昇華転写印刷がされていない、紙で言えば未印刷の状態の、昇華転写用アルミ金属プレートです。

温度やプレス時間等の違いはありますが、お手持ちの昇華転写インクと昇華転写紙、Tシャツ転写機等を使い、昇華転写Tシャツをプレスする時の要領でご使用いただき、アルミ金属プレートへの昇華転写が可能です。

形状は4種類。長方形タイプ、正方形タイプ、円形タイプ、楕円形タイプがあります。それぞれに大小いくつかのサイズを取り揃えています。

 

 

※こちら ↓ は画像が転写済の参考写真です。ブランクプレートには何も印刷されていません。

また、表面加工仕様は合計8種類あります。(※表面加工仕様により、屋内用と屋外/屋内用があります。→表面加工仕様の詳細はこちら

 

※こちら ↓ の画像は表面加工の参考写真です(クリックで拡大表示されます)。販売商品であるブランクプレートには何も印刷されていません。

名称 屋外/屋内
光沢(Gross)

屋外/屋内
マット(Matte)

屋外/屋内
サテン(Satin)

屋外/屋内
キャンバス(Canvas)

屋外/屋内
ウォールスカイ(WallSky)

屋内
蓄光(GlowInTheDark)

屋内

ソルトレイク(SaltLake)

屋内
アイスタッチ(IceTouch)

屋内

 

そのうち6種類(Gross,Matte,Satin,Canvas,WallSky,GlowInTheDark)の表面加工仕様の商品を在庫しています(※SaltLakeとIceTouchの2種類はお問合せください)。

※表面加工仕様ごとに別の商品です。昇華転写後に表面加工するわけではありません。(キャンバス地のプレートに昇華転写して後から再度表面加工してサテン地のプレートにする、といったことはできません)

価格は、1枚単位売り価格、5枚単位売り価格、10枚単位売り価格があります。それ以上の枚数の場合はご相談ください。

※表面加工仕様ごとに別の商品です。ご注文いただく際は、何枚単位売りをご希望かの他に、

1.表面加工仕様の指定(光沢、マット、サテン、キャンバス、ウォールスカイ、蓄光)
2.タイプの指定(長方形、正方形、円形、楕円形)
3.サイズの指定(縦横、直径、短径と長径など)

が必要になります。

 

長方形タイプ 各種 (縦x横 単位はインチ ※mm表記は概算です)
4×6″ (102mm x 152mm)
8×10″  (203mm x 254mm)
8×12″ (203mm x 305mm)
12×18″  (305mm x 457mm)

正方形タイプ 各種 (縦x横 単位はインチ ※mm表記は概算です)
4×4″  (102mm x 102mm)
5×5″  (127mm x 127mm)
8×8″  (203mm x 203mm)
12×12″  (305mm x 305mm)

円形タイプ 各種 (直径 単位はインチ ※mm表記は概算です)
3″  (76mm)
4″ (102mm)
6″  (152mm)
8 (203mm)

楕円形タイプ 各種 (短径x長径 単位はインチ ※mm表記は概算です)
5×7″  (127mm x 178mm)
7×12″  (178mm x 305mm)
8×10″  (203mm x 254mm)
20×24″ (508mm x 610mm)

などを取り揃えています。

 

※まだ仕様がはっきりしない部分もあります。→ まず お問い合わせください。

 

 

マグカップ11oz用紙無地箱リニューアルのお知らせ

この度、マグカップ11ozサイズ用無地箱をリニューアルいたしました。

紙素材は原材料の高騰等により仕入れ価格が年々上がっています。
弊社の「マグカップ用無地箱」も例外ではありません。
そこで、何とかコストダウンできないか検討した結果、現在様々な分野で使用されている薄くて丈夫な段ボール素材で無地箱をリニューアルすることにいたしました。

詳細は、下記のチラシをご確認ください。

◆マグカップ11oz用無地箱『P-ONE』
mugcase_P-ONE

 

また、同じ段ボール素材で、11ozマグカップを2個一緒に入れられる「ペア箱」も販売開始に向けて準備中です。ご意見などございましたら、お気軽にご連絡ください。

◆マグカップ11oz用ペア箱『P-TWO』
mugcase_P-TWO

 

その他、マグ用無地箱についてのご要望・ご意見・ご質問は、弊社業務部までお問い合わせください。

 株式会社 サンリュウ 
〒334-0073 埼玉県川口市赤井 1-10-7
Tel: 048-446-6786
http://www.sanryu.com

昇華転写用下紙クラフトのご紹介

『意外と大切な昇華転写用下紙のお話』

優れたガスバリア性・使い易さ ・低価格の三拍子そろったサンリュウのイチオシ商品『昇華転写用下紙クラフト』のご紹介です。

皆さん、昇華転写作業をする時の下紙はどのような商品をお使いですか。
転写の際にフェルトを汚さないよう、布とフェルトの間に敷く紙が下紙です。
「アンダーペーパー」、「プロテクションペーパー」、「ベースペーパー」、「保護紙」、「捨て紙」など、呼び方は会社によって様々なようですが、これらは皆、同じ目的で使用される同類の商品です。

これらの商品は、昇華転写や直接印刷布の加圧発色処理などの作業にご使用中かと思います。
「フェルトが汚れてきた」、「シワが発生しやすい」、「フェルト交換頻度を減らしたい」など、ご使用に関してお困りのことはございませんか?
下紙クラフトは、下紙に関連するお悩みをお持ちのお客様へ、サンリュウが自信を持ってご紹介できる商品となっております。

◆今までサンリュウにいただいた、ユーザー様のお悩みの声
A.フェルト交換サイクルが短い
B.下紙の熱変形によるシワが発生し、転写時に影響してしまう
C.価格が高い
D.巻き数が少ないため、交換頻度が高く、生産性が悪い
E.重くて扱いづらい
F.?

これらのお悩みの声を解決するための、下紙クラフトの商品開発を突き進めてきました。

◆ユーザー様のお悩みの声を解決するための商品開発
【Aの解決】
→ガスバリア性の高い性能を確保し、交換サイクルを長期化できる商品にする。

【Bの解決】
→熱による紙変形の少ない商品にする。

【Cの解決】
→安い商品にする。

【Dの解決】
→全サイズ巻き数を1,000mとして、交換頻度が軽減される商品にする。

【Eの解決】
→薄く軽い商品にする。

【Fの解決】
→お悩みの声なのに、内容記載をせずに「?」にしたのは、現場の皆様が日頃は意識されていないのではと想定した内容だからです。下紙が厚いほど転写機の熱は奪われます。熱が奪われても温度が下がらないよう、ヒーターは加熱し続けるので、その分電力を消費し、コストになります。電気を余分に使うと環境にも悪い影響が出ます。環境と言えば、下紙の厚さを薄くすることで、使用するパルプ資源も節約でき、CO2の吸収源である森林の減少を抑え、温暖化防止に貢献できます。 また、下紙の廃棄重量も減り、環境にやさしく、廃棄コスト削減にもつながります。
→薄い商品にする。

このような複数の高いハードルを一つずつクリアしながら、サンリュウの『下紙クラフト』を新商品としてご用意しました。

◆サンリュウの下紙クラフトとは

薄手(20g・㎡)でガスバリア性に優れており、熱処理機のフェルト汚れの防止に最適のパフォーマンスを持っている商品です。熱による紙変形が少ないため、シワになり難く、使用し易い 、高品質で低価格な昇華転写用の下紙です。

◆性能はどれくらい?

上の画像は、ガスバリア性能試験時の最下層にある汚れ確認用ポンジの転写後の画像です。
横に白い帯のように見える箇所が、3種類の下紙(上:他社品A、中:下紙クラフト、下:他社品B)でガスバリアされた箇所となります。
上(他社品A)と下(他社品B)では、赤枠で囲っている濃色の転写箇所において、色の付着が見受けられました。一方、中(下紙クラフト)では、色の付着は見受けられませんでした。
この結果から、下紙クラフトを使用した場合に、ガスバリア性の高さを発揮するということが、お判りいただけるかと思います。
このように下紙クラフトは、ガスバリア性が高くフェルトが汚れにくいことが、容易に想像ができます。その性能によって、熱処理機の大切なフェルトを守り、メンテナンスサイクルを飛躍的に伸ばすことが可能となったのです。

◆本格販売に向けて
そのような性能を誇る下紙クラフトですが、2024年初旬の本格販売に向けて準備の真っ最中です。現在、ご評価いただくため、一部のお客様には3年前より先行してご提供を始めています。先行使用いただいているユーザーの声をまとめましたので、ご確認ください。

◆先行使用ユーザー様の声
・下紙のおかげでフェルトが汚れにくくなって、交換はまだまだ大丈夫そうです。10年は持ちそうですね
・フェルトが大幅に汚れにくく なっています。今後のフェルト交換サイクルが伸びて行きそうです!
・1,000m巻は魅力ですね。交換頻度は減り、作業者の負担を減らせ、生産性は向上します!

◆よくある質問Q&A
Q1.フェルト交換期間はどのくらい変化しますか?
A:お客様の使用状況にもよりますが、最も長くご評価いただいているお客様からは、弊社下紙を使用する前は4~5年に1回の交換頻度だったところ、使用開始3年以上経過していても、まだまだ使用できる、きれいな状態だとご評価いただいております。

Q2.どんな熱処理機でも使えますか?
A:平台プレス機の場合は、カットまたはロール巻き出し装置にて使用可能です。
輪転機の場合、下紙を使用できる機構があれば使用可能です。ただし、テンションなどの設定により、シワが発生するような輪転機もあるようです。

Q3.下紙は何色ですか?
A:下紙クラフトは茶色となります。

Q4.国産ですか?
A:いいえ、国産ではありませんが、品質管理が行き届いている工場で生産されている商品です。

Q5.1650mmのサンプルはありますか?
A:大変申し訳ございません。サンプルとして準備しているのは、1370㎜幅のみに なります。それ以上の幅をご希望の場合は、商品をサンプル価格にてご購入いただくことになります。

Q6.紙管のサイズは何種類かありますか?
A:3インチのみです。

Q7.森林認証材は対応していますか?
A:対応しています。

Q8.保管に注意は必要ですか?
A:紙なので、湿気には弱いです。保管される場合は、ビニール袋に入れ、風通しの良い冷暗所に保管されることをお勧めいたします。

Q9.捨てるときは紙ゴミですか?産業廃棄物ですか?
A:産業廃棄物です。捨て方に関しては、お住まいの自治体にご確認ください。

Q10.夏場に急に量が増えたりするけど、在庫はたくさんありますか?
A:在庫切れを起こさないよう、弊社はほかの商品も含め、徹底した在庫管理を行っております。 繁忙期にご使用になられる数量や時期について事前にご相談いただければ、その分の在庫をご用意させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。

Q11.標準1,000m巻きだとは重くないですか ?
A:紙厚が薄い分、思ったほど重量はありません。
例えば、1650幅(1020m巻)の場合、1本あたりの重量は36kgです。
(速乾中厚転写紙1620×135mは、24kg/本)
1人で輪転機 に設置するのは難しいかも知れませんが、その分巻き数 が長いため交換回数は軽減できます。※巻き数は特注対応可能ですので、お気軽にお問合せください。

以上が、よくあるご質問と、対するご回答になります。
下紙クラフトにご興味をお持ちいただけましたでしょうか?
下記に商品の特徴、ラインナップなど、ご検討に関しまして必要な事項をまとめました。

◆下紙クラフトの特長
薄手ながら、熱による変形も少なく、ガスバリア性の高い下紙クラフトは、1,000mの巻き数となり、厚手製品(500m前後)と比較して交換頻度が半分となり、保管場所においても省スペースでの保管が可能になります。
フラットベッド型熱処理機での使用においても、生地に合わせた転写時間への幅広い対応可能の下紙です。

◆下紙クラフト商品ラインアップ
下紙クラフトはラインアップとして1,150㎜から2030㎜幅までの7種類を、ご用意しています。

価格も安く 、お買い求めいただきやすい商品です。ご興味がおありでしたら、サンプルもご用意しています。

下紙クラフトの価格は、下記ページをご確認ください。
【弊社HP】昇華転写用下紙ページ

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今回ご紹介の下紙クラフト以外にも、ガスバリア性がより優れた厚手製品(30g・㎡)、シリコンコートされた下紙などのご用意もありますので、弊社の昇華転写用下紙にご興味ございましたら、ぜひお問い合わせください。

 株式会社 サンリュウ 
〒334-0073 埼玉県川口市赤井 1-10-7
Tel: 048-446-6786
http://www.sanryu.com

Monti社転写機技術サービス

当社はMonti社転写機技術サービスのプロフェッショナルです。

この記事では、小型から超大型まで転写機を開発・製造販売しているトップメーカーであるMonti Antonio社、その販売店としての当社の姿勢・考え方や、転写機への技術サービスの提供についてをお伝えいたします。

◆大型輪転転写機のヒーター交換作業  
Monti社の大型輪転転写機のヒーター交換作業は、順調に進めば二日間で完了します。
ヒーターは熱ドラム側面に固定されています。ヒーターを埋め込んだフランジの頭が六角形になっており、ヒーター交換は、2m程の長さの大型ボルトを交換をするようなイメージです。


1:特製パイプレンチ 

添付の写真1は、交換作業に用いる特製のパイプ型六角レンチです。フランジのネジ径が大きく、しっかりと締め付け固定しなければいけないので、このような特製のものが必要になります。

これまで当社が販売したMonti転写機の技術サービスは、自社の技術陣が行なうことを基本としてきました。ただし、大型輪転転写機のヒーター交換作業は、当社が唯一メーカーに技術者派遣を要請している作業です。当該作業の知識や経験が不足しているという理由はありますが、このような特殊機器を必要とすることも理由です。

「メーカー技術者派遣を要請するなんて、お前らそれでも技術サービスのプロフェッショナルか?」と、本稿タイトルへの懐疑的なお声も聞こえてきそうです。ここではその疑問への反論は差し控え、当社の歴史と現状をご説明させて頂こうと思います。

◆インクジェット昇華転写では先陣を走ってきました 
昇華用プリンタが存在しない時代に、溶剤プリンタを改造して昇華転写の紹介を始めました。当社の現会長が、当時若手営業マンだった Monti社の現 Executive Manager・Roberto Francesconi氏と最初にメール交信したのは2003年の2月だったということでしたので、当社は、Monti社転写機の輸入販売と技術サービスに20年以上の経験があることになります。


2:熱ドラム幅最大3.6mのMonti社の転写機【C02型】 

転写機だけでなく、転写紙も世界No.1のメーカー・Coldenhove社の商品の輸入元でもあります。昇華転写で使用される機械システムと出力素材で最高品質の商品を取り扱う当社は、最高級の転写印刷技術を学んでこれたと自負しています。
このような商材との幸運な巡り合わせで受けた恩恵を業界にお返しすべく、現在の当社は、昇華転写に関するコンサルティングサービスを行ない、個々のお客様に最適なシステムや素材、生産手法を提案しています。

◆お客様に有益な情報をお伝えする 
当社は、昇華転写システムをご紹介する際に、システムそのものの性能はもちろん、システムの活用方法のご提案も出来ます。コストダウンの手法や、品質アップの手法などです。本稿タイトルに関連付けて表現するなら、機器仕様や操作方法だけでなく、活用手法までご提案できるということです。
“技術サービスのプロフェッショナル”は、修理が上手いという意味ではありません。お客様がシステムを有効に活用できるよう、ソフト・ハードを統合した技術アドバイスが出来るということです。

◆当社の修理対応技術レベル 
ここで、冒頭の特製六角レンチの話に戻ります。この工具は、交換パーツと一緒に、メーカー技術者が事前に現場に送ってきていたものです。彼は、交換の必要なヒーターを抜き出すために、フランジ頭部に工具を刺しこんで回そうとしたのですが、焼き付いて回せませんでした。パイプ上方に見える穴へ脱着式のハンドルバーを刺しこんで回そうとしてもびくともしませんでした。
ハンマーで叩くしかないと判断した彼は私達に、「6角穴のあるパイプ下方に鉄板を溶接せよ」と指示してきました。

彼の滞在期間は限られていました。もし、目的物が翌日午前中に入手できなければ、彼は修理未完了のまま帰国します。経験のない当社が後を引き継ぐか、技術者再来日を要請しての二回目の修理が必要になります。お客様にとっては、どちらも受け入れがたいと思います。前者はリスクが高く、後者は印刷加工の仕事が出来ません。

当社の自慢は、写真3のように、この特製工具への鉄板溶接を半日で実現したことです。


3:溶接済みレンチ

現物の移動も、加工先の選択も、簡単ではありませんでしたが、翌日朝には現場に持ち込んでの使用を可能にしました。
添付写真4は、当社技術者が溶接鉄板をハンマーで叩き上げながら、ヒーターフランジ部を回転させているところです。


4:作業する当社技術者

ヒーター交換は、予定の二日で終わりました。修理対応技術レベルの高低は、このような緊急手配能力も加えて査定されるべきと考えます。

◆高いメーカー活用能力 
他社からMonti転写機を購入された別のお客様から、転写不良に関してご相談を受けた時の話です。当社では、フェルトのテンションが弱過ぎるための不良発生と想定しました。購入先からは設定値は適正で、強めるとフェルト寿命が短くなるという説明だったそうです。当社では納得がいか
なかったので、Monti社に問い合わせを入れました。当社で販売実績のない機種だったので、事前に安全な調整範囲かの確認をしたのです。「その設定値は弱過ぎだ」との明快な回答を得てお客様にお伝えしました。このお客様は現在、問題無く転写機械をお使いです。


5:フェルトテンションなどの調整盤

ここでまた、大型輪転転写機のヒーター交換の話に戻ります。パーツの交換作業が大掛かりになるほど、取り寄せるパーツの種類が多くなります。たとえ一個のパーツでも、必要な物が無ければ修理は完了できません。Monti転写機は200℃の高温で使用される大電気容量の機械です。現場で不足物が見つかっても、電気パーツには高い耐熱性が求められるので一般商店からの緊急購入が難しいのです。

ヒーター交換での部品手配は、特に注意が要ります。相手は世界のMonti社ですが、信用せずに必要な確認を繰り返します。交換作業を想像しながら、「これは?、あれは?」と必要部品を追求して行きます。作業経験のない当社の出来る範囲はここまでで、最後は一任するしかありません。今回の交換でも、見積もられたリストから抜けていたパーツがありました。当社の予備在庫品で何とか対応はできたのですが、「うっかりミスだった」ようです。メーカーチェックは大切と再認識させられました。

◆Monti転写機への技術サービスを広く提供します 

6:リボン布用転写機の社内出荷前検査

これまで当社は、Monti転写機への技術サービスを、機械を自社販売したお客様のみに限定してきました。しかし前述したような、技術サービスのプロフェッショナルとしての能力を磨いて来れたのは、幸運でしかありません。
今後は、この幸運から得た力を、求めるお客様に広くご提供するべきと考えを改めました。

時期や距離などの問題からお請けするのが難しい場合があるかも知れませんが、Monti転写機に関してお困りのことがありましたらご一報いただけましたら幸いです。これからも、技術サービスのプロフェッショナルとしての高みを目指して頑張って行きます。

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Monti Antonio社製品・または製品に関する当社技術サービスにご興味ございましたら、ぜひお問い合わせください。

 株式会社 サンリュウ 
〒334-0073 埼玉県川口市赤井 1-10-7
Tel: 048-446-6786
www.sanryu.com

 

デュラ瓦版2:テナント案内板

デュララックス瓦版(NewsLetter)ではパウダーコーティング(粉体塗装)でデジタル印刷と建材の融合に新たな可能性を持つ、昇華転写用耐候建装材『Duraluxe(デュララックス)』の加飾物や技術をご紹介します。

 

デュララックス瓦版2:テナント案内板

5日前の東京では、まだ6月なのに45人が熱中症の疑いで救急搬送されたそうですね。2023年も猛暑ですね。
7月に入った今日は曇り気味。最高26℃程度までしか行かないようですが、湿度が70%を超えて蒸し暑いです。
皆様、お元気ですか?

今回の添付写真は、日陰の涼しげなビル外観なので、音でなく目で涼を味わっていただけたらと思います。

◆Duraluxe印刷事業が進んでいます
この新築ビルは、9階建のテナントビルです。このビルのオーナー様が、私どもの Duraluxeプレートの品質をご理解くださり、新しいテナント企業が入った時に勧めていただけることになりました。

二つ目の添付写真が、ビル入り口にあるテナント案内板です。案内板のトップには、既に一社入っているので、二社目以降にDuraluxeプレートが並ぶことになると思います。オーナー様、ご支援ありがとうございます。

◆テナント案内板
案内板サイズは、80mm×400mmでした。サインプレートとして受注する際に、いつも比較されるのがアルミ複合版ですが、この用途ならDuraluxeプレートが正解ではないでしょうか。
ゴールドカラーの光沢ある案内番ベースプレートも、その周囲のサイディング外壁も、いずれも美しく、はめ込まれる案内板にも、同様な“高級感”が求められるように思うからです。

理由は他にもあります。案内板1枚の製作に、ラミネートや貼り付け作業は非効率でしょう。
ラミネートしても耐候性は劣ります。経年変化で、貼った表面フィルムが剥がれたり、ひび割れしたりしてきます。Duraluxeプレートなら10年経過しても、表面が割れたりしません。この用途ならDuraluxeプレートの圧勝ですね。

◆Duraluxeプレートに印刷屋さんが感心されたポイント
ハイテク素材を使用したジャケットのアパレル業界記事にも、「生地表面のシボ感が高級感を醸し出す」とありました。光沢やマット面でなく、微細な凹凸のあるシボ面に高級感をより感じるようです。
Duraluxeプレートでは、サテン、キャンバス、アイスタッチなどと、シボ面も数種類用意されています。硬質素材なので、柔らかなフィルムでは不可能な、精細な凹凸表現が出来るのです。

◆インパクトを与える広い色領域

印刷屋さんが感心された理由のもう一つは、「昇華染料画像の鮮やかさ」ではないでしょうか。
顔料よりも色領域が広いので、インパクトが強くなります。黒色はより黒く、赤色はより赤く表現できるからです。中間調の諧調表現もより繊細に出来ます。

ご心配されないように、加えておきます。染料は耐光性が弱く、数か月で色褪せるのが普通なので、一般の屋外印刷物はほとんどが顔料インクで印刷されています。
しかし、Duraluxeプレートなら大丈夫です。プレート塗膜に浸み込んだ昇華染料画像は、海外では屋外耐候性5~7年保証されているのですから。