投稿者「sanryu co ltd」のアーカイブ

陶磁器やガラスへのデジタル印刷

1.はじめに

古代の洞窟や土器に残る絵模様は、無機顔料を用いて描かれたものです。無機顔料が、長期の耐光性を持っている証です。

oldagepic01古くは手描きで行われてきた陶磁器やガラスへの絵付けですが、近年の絵付けは、スクリーン印刷を用いて大量印刷が行われています。しかし、製版の必要なアナログ印刷方式では、少数の印刷需要には応えられません。世の中は、ある程度豊かになり、個々の自己表現に対する欲求が増大しています。陶磁器やガラスへの絵付けも、いよいよ、デジタル印刷方式への移行が始まっています。本稿では、レーザープリンタと、インクジェットを用いた低価格システムをご紹介します。

 

 

2.従来技術の学習

これまでのスクリーン印刷を用いた技術は、その全てが、まったく利用価値が無くなるわけではありません。印刷部分以外は、伝統技術をそのまま活用します。ですから、先ずここで、スクリーン印刷技法を学習します。

 

 スクリーン印刷

スクリーン版版の上にインクを乗せ、スキージ移動で、版のメッシュ開口部からインクを押し出す孔版印刷方式。色毎に製版が必要で、各色を重ね刷りして行く。

 

2-1 被印刷素材

高温の焼成温度に耐える陶磁器やガラスが被印刷素材になります。粘度、長石、珪石などを原料とする陶磁器は、成形乾燥後に焼成して製造されます。釉は、素焼き後の陶磁器に後からかけて本焼きする場合と、高温の締め焼き後に低温で釉焼きする場合があります。ガラスは珪砂にホウ砂やソーダ灰、石灰石などを加えて加熱溶融して作られます。 磁器と陶器の違いは、下記のウェブなどを参考にしてください。具体的な商品としては、建築用のタイルから、食器、花器、灰皿など、様々なものがあります。

磁器と陶器の違いは(土岐市サイトより)
http://www.city.toki.gifu.jp/wcore/hp/page000003500/hpg000003432.htm

 

食器への印刷

皿4

 

2-2 上絵具

上絵具は、金属酸化物や炭酸塩類などを用いた着色剤と、鉛ガラスを含んだフラックス(融剤 ) から成っています。スクリーン印刷のためには、スキージオイルと混合してインクとします。スキージオイルは、常温ではペースト状で、焼成時には炭化することなく気化し、着色剤とフラックスは被印刷素材と熔融します。

 

2-3 スキージオイル

上絵具との混合で、スクリーン印刷適性のあるインクが作られます。その多くがアクリル系樹脂から成る溶剤乾燥タイプです。高温焼き付けで気化する際に灰分を残さない樹脂が選ばれています。残留灰分が、発色に影響を与えることがあるからです。

上絵具とフラックスの混合は、十分に練り合わせる必要があります。粗い 絵具粒子は、均一に細かくしなければなりません。練り不足は、スクリーン版の目詰まりの原因になります。

 

2-4 水転写紙

水分の浸透性の良いベース紙に、水溶性の層を形成したものが水転写紙です。画像支持フィルム層を水溶性層の上にコーティングしたものと、フィルム層が無い水転写紙があります。水転写紙上にスクリーン印刷画像を形成した後、水中に沈めます。裏側から浸透してきた水が、水転写紙表側の水溶性層を溶かし、印刷画像がベース紙から離れます。この剥離した印刷画像が水中で分解するのを防ぐために、画像支持フィルムが付いています。フィルム層が無い水転写紙の場合は、何らかの方法で、印刷後に支持フィルム層を画像上側に形成する必要があります。

mztonera05

2-5 画像支持フィルム

画像支持フィルムが付いている水転写紙では、フィルム層の上に画像が形成されます。フィルム層が無い水転写紙で、画像の水中分解を防ぐためには、画像上側にスクリーン印刷や、スプレー塗布などの方法で支持フィルム層を形成します。これらの画像支持フィルムは、焼成時に気化します。この画像支持フィルム形成用の樹脂にフラックスを加えれておけば焼成時に釉層が形成されます。

 

2-6 スクリーン印刷版

型枠に張ったポリエステルやナイロン紗に感光材 を塗布後に、露光現像処理して製版します。印刷時には、紗の上にインキを載せてスキージで押し引き、インキを紗のメッシュ穴から下に押し出し、水転写紙に付けます。作業終了時は、版面をきれいに清掃する必要があります。インクなどが残れば、乾燥硬化してメッシュの目詰まりなどが起こるからです。印刷色毎に版が必要です。

mztonera03

2-7 スクリーン印刷機

手動のスクリーン印刷機であれば安価ですが、スキージングや紙送りなどの自動化機械は高価になります。自動機であっても、インキを用いるので熟練技術者が必要とされます。CMYK4色などの多色印刷の場合は、各色印刷毎に、位置合わせと乾燥工程が必要になります。未乾燥状態のインキの上に、次の色を重ねることはできません。

 

2-8 被印刷物への絵付け

印刷済水転写紙を水に浸します。水分が浸透した水転写紙を被印刷物上に載せます。支持フィルム層を押さえて、下側のベース紙を横に引き抜きます。被印刷物上に残った画像の付いた支持フィルム層の下の水と空気を、へらなどでしごいて押し出します。支持フィルム層が被印刷物上に密着したら、放置乾燥させます。ある程度乾燥後に焼成します。支持フィルム層の下に気泡が残っていた場合は、膨張して支持フィルム層にピンホール状の穴を開けることがあります。

mztonera07

2-9 焼成

一気に最終焼成温度に引き上げるのでなく、段階的にプログラムを設定して温度を上昇させることで、膨張空気に支持フィルム層が破られる現象を押さえることができます。最終焼成温度での保持時間は20-30分程度です。焼成温度は、イングレーズ絵付けの場合は1100-1200℃、上絵付けの場合は750-850℃程度です。ガラスは、500℃程度です。

mztonera09

 

3.スクリーン印刷に対する不満

上記のような手法で陶磁器やガラスへの絵付けが行われてきましたが、スクリーン印刷に問題が無いわけではありません、下記のような問題が挙げら、デジタル方式への移行が望まれています。

1)一色毎に製版が必要(多色印刷、少量ロットの印刷はコスト高になる)
2)乾燥性のインキを用いるので、熟練者が必要
3)インキから溶剤が蒸発するので、作業者の健康、及び環境汚染問題がある
4)各色毎の印刷作業を繰り返さなければならない
5)解像度が、スクリーン印刷版のメッシュで限定され 、精密印刷は不向き
6)リピートオーダーのためには、版を保管しなければならない(スペース要)

 

 

4.セラミックトナー印刷

4-1 開発者

ドイツのMediaKreativWerk-Groupは、 従来技術を用いて、20年以上陶磁器印刷を続けてきたグループ企業です。グループで経験を積んだのMichael Zimmer氏は、CMYK 4色トナー印刷手法を考案し、世界特許を取得しました。セラミックトナー印刷システムと関連資材を販売するMZ Toner Technologies社は、開発者の氏によって設立されました。現在は、陶器用、磁器用、ガラス用、イングレーズ絵付け用、安全性の高い食器用(鉛やカドミウム非含有)など、様々な種類のカラーセットをラインアップしています。当社はMZ社に出向して技術研修を受けて、同システムと資材の輸入販売を開始しました。

 

4-2 セラミックトナー印刷システムの概要

セラミックトナーは、微細なセラミック顔料粒子と、フラックスと、結合剤樹脂から作られます。下記のウェブにシステム概要をご紹介しています。スクリーン印刷方式でご紹介した利用可能な手法と、デジタル印刷方式の新しい手法を、ここで理解してください。プリンタは、レーザープリンタを使用します。
セラミックトナーシステム構成

lprt0001レーザープリントの採用で、スクリーン印刷に対する不満は、下記のように、ことごとく解消されます。

1)PC上の画像をプリンタに送るだけで済む、無製版方式です。多色印刷、少量ロットの印刷に最適です。
2)プリンタにトナーを搭載します。印刷後の後片づけは不要です。熟練者は要りません。
3)トナーを用いた乾式印刷なので、健康・環境汚染問題がありません。
4)CMYK4色同時印刷です。
5)1200x1200dpiの高解像度印刷も可能です
6)無製版方式なので、リピートオーダーの出力も容易です。版の保管スペースは不要です。

 

レーザープリンタによる印刷

PC作業者PC上の画像を画像プログラムからプリンタへ直接出力する。印刷用の製版は不要。提供されるiccプロファイルを適用すれば、作業者が代わっても同じ出力結果が得られる。

 

4-3 レーザープリンタで必要になるもの

レーザープリンタで必要になるものに、色修正用のプロファイルがあります。これは、 一般的なトナーの色材 である有機顔料と比較して、表現色領域がより狭く、CMYK各原色の色相がずれているセラミックトナーを用いて印刷した場合でも、可能な限り高い発色をさせよう、原稿の色合い近づかせようという目的のものです。

mztonera01印刷物の色のずれは、顔料の差によるものだけではありません。プリンタ個体間でも、出力画像品質が異なるのはめずらしくありません。ですから、当社は、プリンタを販売する毎に、そのプリンタ用の色修正プロファイルを作製してご提供しています。

このプロファイルの適用することで、誰でも最良の印刷結果が繰り返し得られるようになります。熟練者が要らない大きな理由です。

 

iccプロファイルを適用した結果

Redセットレッドセットを用いて印刷した時の色です。色領域の制限される無機顔料ですが、ここまでの、赤色表現が出来ます。

Magentaセットマゼンタセットを用いて印刷した時の色です。マゼンタセットは赤色や黄色の鮮やかさは劣りますが、人肌の微妙な表現に向いています。

 

4-4 MZ社の工夫

1)ラミネートフィルム

画像支持フィルム層の無い水転写紙を使用する場合は、スクリーン印刷やスプレー塗布で、画像印刷済の水転写紙上に樹脂層を形成します。MZ社は、この目的で、スクリーン印刷用のカバーコート液と、ラミネートフィルムを用意しています。フラックス無しタイプと、フラックスを練り込んだタイプに分類されます。 フラックスを練り込んだタイプは、焼成後に気化して消滅するのでなく、釉層として画像の上に残ります。画像以外の部分に釉層を形成したくない場合は、カッティングプロッタで、このラミネートフィルムの余分な部分を取り除いてからラミネート加工を行います。

mztonera02ラミネートフィルムは、小型ホットラミネータを用いて水転写紙上に貼り付け出来ます。スクリーン印刷やスプレー塗布などに求められる熟練は不要です。汚れるような作業は無く、オフィスのクリーンな環境を維持できます。

2)白ベース付き水転写紙

被印刷素材のひとつであるガラスは、透明な商品が多くあります。透明なガラスにCMYK画像を形成すると、濃度不足に感じることが多くあります。画像のバックに白色下地層があれば、この不満を軽減できます。この白色下地層付与目的で、白ベース付き水転写紙が用意されています。白ベース付き水転写紙の上にCMYK画像を印刷して転写すれば、ガラス素材の上に白色下地付き画像を形成できます。余白部の白地を除去するには、カッテティングプロッタが利用できます。

 

4-5 トナー転写システムでの限界

絵付けまでを含む陶磁器製の自分だけの作品を作る陶芸教室が全国規模で盛況になってきているようです。
これらの教室からの本システムへの引き合いが増えています。そのさまざまなご要望は、現状のシステムで対応ができる部分が多くあります。しかし、完全ではありません。その限界の一つが、 金色の表現です。トナー転写システムでの金色の表現は、CMYKの混色で作ります。グラデーションをうまく加えれば、金色の感じは出せます。
しかし、金色に見えるように色相を近づけるまでが限界です。セラミックトナーの金色は用意されていませんので、金雲母などを用いた、本物の金色表現はできません。

 

CMYKの混色の金色表現

CMYK金色表現金色の範囲の中にグラデーションを組み合わせて、擬似的に角度による濃度変化感を与えている。

 

5.当社が提案する金色デジタル印刷方法

同じ無製版のデジタル印刷方式に、レーザープリントがあります。当社は、インクジェットプリンタ用の接着剤インクをご用意しました。 金色に表現したい画像を、水転写紙の上に接着剤インクで印刷します。印刷後しばらく濡れて粘着力が保持されるので、柔らかな筆先に金雲母の粉を付け、画像の上に振り掛けます。画像の上以外の余白に落ちた粉は、エアスプレーなどで除去します。水転写の際の金雲母画像の保持を、スプレーなどで樹脂フィルム層を作るかラミネート貼りで行うのは、従来手法と同様です。プリンタは、2,3万円定価の市販のEPSONプリンタが利用できます。

 

金雲母粉による金色表現

金雲母を用いた表現2インクジェットプリンタ用接着剤インクを印刷した水転写紙画像上に、金雲母粉を付着させて、水転写した金色。

 

 

6.接着剤インクの可能性

金雲母の粉だけでなく、粉末であれば接着剤インクに付着させられます。目的にあった粉を選択すれば、いろいろな素材の膜を形成できるわけです。例えば、美しい青色で耐久性が大きいコバルトブルーや、特色の顔料粉です。企業の指定色の粉を用意すれば、印刷や焼成環境の変化による色相の微妙なずれを小さな範囲に抑えるのに役立ちます。釉層になるガラス層を、全面でなく模様の上だけ釉層になるガラス層を、全面でなく模様の上だけ付着させて、光沢差による模様を画像に加える手法も考えられます。

単なる画像表現のための色素付着だけでなく、耐摩耗性向上のための特殊な高硬度膜形成と言う目的も考えられます。砂塵などが無い屋内で使用する床用タイルなら、通常の釉層を被せるだけで十分な耐久性があります。しかし屋外用途となると異なります。砂塵などでこすり続ける過酷な条件下では、釉層を構成するガラス膜層は短期間で摩耗してしまいます。ダイヤモンド、炭化ケイ素の次に硬いアルミナ層を、印刷した画像が隠れない程度に表面に分散させて形成すれば、屋外の通路での使用も可能になります。

 

 

7.インクジェットプリンタを用いたセラミック顔料印刷

では、インクジェットプリンタを用いたセラミック顔料印刷の可能性はどうでしょうか?市場には既に、インクジェットプリンタを用いたセラミック顔料印刷システムも登場してます。転写でなく、直接印刷システムもあります。しかし、インクジェットシステムは、大型で高価になるようです。一千万円を超えるシステムも珍しくありません。経験的に言えば、重いセラミック顔料を、水のような粘度のインクに長期間浮遊させておくのは難しく思えます。安定性の面でも、少なくとも現在は、レーザープリンタシステムに分があると言えるのではないでしょうか。

mztonera10

 

8.おわりに

二年以上前に展示会で紹介を始めた技術ですが、本システムに対する引き合いが、今年に入ってから急増しています。従来のデジタル印刷商品が非実用的な装飾品、短期の記念品レベルにとどまっていたのに対して、長期の耐久商品が出来るシステムだからでしょう。堰を切ったように、建築用タイル、床材、ポーセラーツ、陶板への複製絵画、表札、人工大理石、等々、広範囲な商品への検討が始まっています。表現色領域が限定される無機顔料ですが、当社の持つカラーマネジメント力を駆使して作成したプロファイルを活用した出力結果には、多くの驚きの声をいただいています。MZ社の保有する技術に頼るだけでなく、デジタル印刷業界での当社の豊富な経験を生かして、品質、コスト、作業手法の改善、開発を続けて行きます。

 


関連: 鉛有セラミックトナー溶出試験合格!   用途比較:ガラスインクとセラミックトナー動画へ

ガラスインク印刷システムのご紹介

ガラスインク印刷システム を使用した、ガラス表札と、箸置きへの印刷提案です。

(株)サンリュウでデザインを用意してサンプルを作製してみました。表札は裏側からの印刷、箸置きは一面あるいは二面へ印刷してみました。厚みのある透明ガラスと光の効果で、デザインが立体的に浮き上がります。

ガラスインクの透明感ある色彩が加わった作品は、今までにない幻想的な美しいさを表現出来ていると思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
表札は、実際に建物に取り付けてご使用になれます。お名前やご住所は、ガラスインクでの印刷時に加えても良いし、彫刻で立体的な変化を加えるのも良いでしょう。

chopstickgsmp001箸置きは、ホテルや旅館、レストランでのお客様のおもてなしにお使いいただけば、話題性もあり、印象に残るのではないでしょうか?結婚式の引き出物への活用、土産売り場での旅行の記念品などにしてもどうでしょうか?

関連:  表札のサンプル / 箸置きのサンプル / ガラスに印刷したサンプル

 

 

EP-4004用小型昇華印刷システム

EPSON A3サイズ EP-4004用 小型昇華印刷システム
ep4004昇華転写を小型・低価格で実現 (A3サイズ)

 

1.システム構成

1) EP-4004プリンタ(6色プリンタ(CMYK+LC/LM)
2) EP-4004用インク補充カートリッジ(6色、オートリセットチップ搭載)
3) 昇華転写用プロファイル
4) 昇華インク HANAE-PXH
5) 速乾厚手転写紙
6) Insta社小型転写機 他
7) マグカッププレス機 BLUE-1、マグクランプ

 

 

2.システム詳細

1) EPSON EP-4004プリンタ(6色プリンタ(CMYK+LC/LM))
実売価格 ¥35,000前後~ (※2014年5月 価格比較サイトの情報より)

最適な昇華用プリンタとして、数機種の候補の中から選びました。6色インク(CMYK+LC/LM)で、最大幅印刷面積はA3サイズです。プリンタ本体は、電気量販店等で直接ご購入ください。

 

2) EP-4004用 インク補充カートリッジ 6色セット
(オートリセットチップ搭載 インク補充用パーツ付き)
EP-4004用 インク補充式カートリッジ 6色セット ¥10,200 (税抜)

このカートリッジはオートリセットチップを搭載しています。インクをカートリッジに継ぎ足して使用することができ、経済的なシステムです。
※予告無く仕様変更をさせていただく場合があります。また、使用頻度によりますが、昇華インクの性能上6カ月ごとに新しいものに変更することを推奨しております。ep4004cartridges

 

3) 昇華転写用プロファイル
昇華転写用プロファイル ¥9,000 (税抜)

EPSON標準ドライバを使用した際、染料インクと昇華インクの発色の違いによる、色のズレが発生します。昇華転写用プロファイルを使用することで、ご自身で画像毎に色修正する手間が軽減されます。昇華インクの発色設定も付属しているので、昇華インクの鮮やかさを使った印刷も可能になります。
※弊社資材の昇華インクと自動補充システムをご購入していただいたお客様のみへの販売になります。

epcolorprofile

 

4) 昇華インク HANAE-PXH
100ccボトル ¥1,560(税抜) / 200ccボトル ¥2,400 (税抜)
EP-4004で使用する場合、弊社が販売している昇華インクの中で一番良いテスト結果が出たインクです。
※他社製インクから変更される場合は、洗浄液カートリッジでヘッド内のインクを洗い流す作業が必要になります。洗浄液カートリッジ1色 ¥1,600 (税抜)が6個必要になります。

 

5) 速乾厚手転写紙
A3相当 (30.5cm x 45cm) 100枚   ¥4,300(税抜)

A3シートタイプをご用意しています。A4サイズもございます。厚手転写紙の特長は、転写紙から素材への高いインク転移率、そのための高い発色再現、ベタ印刷時の波うちの少なさです。転写紙の代わりに、EPSON製スーパーファイン紙を使うこともできます。マグカップ転写にはスーパーファイン紙をお使いください。それぞれの用紙にメリットデメリットがあります。弊社までご相談下さい。

※EPSON製スーパーファイン紙で転写を行った場合、紙の裏側に昇華煙が抜ける現象が発生します。転写を行うと、昇華煙が裏へ抜けて転写機のプラテンを汚します。EPSON製スーパーファイン紙を転写紙として使う場合、紙の裏側に捨て紙や布を敷いて転写作業を行う必要があります。

 

※速乾厚手転写紙を使う場合、印刷した転写紙に、プリンタの排紙ローラー跡(白い点々とした跡)が付く場合があります。このプリンタの場合、一部の跡が大きな白点としてインクが抜けてしまいます。マグカップ等、表面が硬く再現性がいいものは、その跡がほとんど転写後にもわかってしまいます。布のような柔らかい素材であっても一部の跡は転写後にも見えてしまいます。
速乾厚手転写紙を使う場合は、排紙ローラーにある歯車を取り除いたり(10分ほどの作業)、歯車のクリーニングを行う必要があります。(この作業を行ってもマグカップ転写に使用するのは難しいです)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA歯車跡 (クリックで拡大されます)

 

6) Insta社小型転写機 M-138 他

ten138世界トップシェアを持つInsta社製M-138型で、Tシャツなどの薄物布転写は十分です。タイルなど厚物の転写をご検討されているのであれば、Insta社製M-204型になります。

 

7) マグプレス機
BLUE-1 ¥75,000(税抜)
マグクランプ ¥6,800(税抜) ※別途オーブンが必要です。

eptenmug02マグプレス機 BLUE-1

mugclampマグクランプ 11oz

モンティ熱転写機M-90

[ ダブルベット mini mod. 90 ]  油圧プレス式 昇華転写 / 熱圧着 タイプ

monti_m90(画像はクリックで拡大されます)

 

【概 要】
スポーツウエアや水着の生産とサンプル作製に最適で
昇華転写/フロッキー転写/トナー転写に使用できる
最先端のプレスマシンです。

【特 徴】
生産性を上げるための「ダブルトレータイプ」
モータ駆動によるトレー移動
230℃まで調整可能なヒートプラテン
ヒートプラテンは±1℃の電気制御
温度とプレス時間はデジタル制御

 

 

モンティ熱転写機M-853

[mod 853] ロール / カットピース兼用の中型輪転機

スポーツウエア用に開発された機種
monti_m853(画像はクリックで拡大されます)

 

用途の広い昇華転写用の中型輪転機です。

 

モデル853は下記の4方式が選択可能です。

カット生地 + ロール転写紙

  • カット生地 + ロール転写紙
  • カット生地 + カット転写紙
  • ロール生地 + ロール転写紙
  • ロール生地 + カット転写紙

用途が広いだけでな 「 く 生産コストの低減 「 と 」 生産性の向上」
が得られます。

 

◆生産コストの低減
「ロール生地 + ロール転写紙」の使用方法ですと、印刷範囲外
の生地が無駄になります。
カット生地を使用する事で生地の無駄が少なくできます。

また、カット生地は型抜きによって低コストで作製できます。

 

◆生産性を向上
カット生地の昇華転写後は縫製作業を行なうだけです。
ヒートカットの必要がありません。
カット生地のセットも、転写紙印刷面が上になっている
ので簡単に行なえます。

 

【特徴】
・高耐久性と寸法安定性の高い「Nomexフェルト」
・熱ドラムの温度誤差は±1℃の「ヒーティングシステム」(世界特許)
・メンテナンスフリーの「真空オイルヒータ」
・転写紙/下紙のセットに「高強度シャフト」の採用で転写不良を低減
・タッチパネル
・温度 / 速度はデジタル表示
・ウェイティングロスタイムを無くすため、毎日の電源投入時刻を予約可能

 

 

 

 

 

モンティ熱転写機M-901

[mod 901 | 2000] モデル901(903) : 昇華転写とダイレクト昇華に理想的な輪転機

monti_m901(画像はクリックで拡大されます)

【特徴】

モデル903はシリコンコーティングされた圧力ローラーが機械上部に設置
されています。遮光/バリア/光拡散フィルムやPVCの圧着などに使用されています。サーマル方式とコールド方式のどちらでも使用できます。

 
エアシリンダーを熱ドラム両側に配置して、フェルト圧力を調整しています。他社の機械で片側にだけエアシリンダーを設けて調整するものも見受けられますが、テンションが偏る危険と、長期的にはテンションを掛けた方だけが伸びてしまう恐れがあります。

 
MontiAntonioのエアシリンダーには、350℃まで耐えるガスケットを使用
しています。

 
901型で4本、903型で3本のローラーがフェルトを支えています。901型では、熱ドラムの85%が接触面積(転写有効部)になります。作業終了後は、テンションを緩める機能も備えています。

 

 

モンティ熱転写機M-120

[ mod. 120-CFE ] 廉価版の輪転機(昇華転写 & ダイレクト昇華)

monti_m120(画像はクリックで拡大されます)

革新的で多機能な輪転型転写機です。
昇華転写だけでなく、ダイレクトプリントの昇華用途にも適しています。

【特徴】
・高耐久性と寸法安定性の高い「Nomexフェルト」
・熱ドラムの温度誤差は±1℃の「ヒーティングシステム」(世界特許)
・メンテナンスフリーの「真空オイルヒータ」
・転写紙/下紙のセットに「高強度シャフト」の採用で転写不良を低減
・タッチパネル
・温度 / 速度はデジタル表示
・ウェイティングロスタイムを無くすため、毎日の電源投入時刻を予約可能

 

昇華なら、今、何故、Rolandか?

1.はじめに

世界の昇華転写、あるいは分散染料直接印刷市場は拡大を続けているようです。海外の資機材関連業者は年率で20~40%の売上高の伸びを謳歌していると聞いています。では、日本市場はどうでしょうか? (画像はクリックで拡大されます。※あまり拡大されないものがあります)

xf640d当社が、インクジェット用分散染料インクを発売して、捺染印刷システムの紹介を始めたのが17年前。 (写真は当時のポリメリック熱処理機)

jn5_poriexd日本市場では、その3年後あたりから、昇華転写印刷需要が急拡大しました。市場は、その後順調に成長してきましたが、ここ数年は成熟期に達したように見えます。

世界の伸びは、イタリアメーカーなどが生産する超高速プリンタを用いて印刷するアパレル関係の需要に支えられているようです。しかし、ポリエステルなどの化学繊維の世界の生産拠点は70%以上が中国にあり、日本国内の生産シェアは1~2%に過ぎないと言われています。海外ほど、印刷需要が高まらないのもうなずけます。

又、電通発表の国内の屋外広告総費用は年率で2%台の低い伸びにとどまっており、これらが、私たちが世界の業界趨勢とのかい離を感じる理由になっていると思われます。

 

2.いまだからこそ

Rolandプリンタで昇華転写成熟期にあると思わえる国内業界の状況を記しました。このような時期に、何故、当社が、Rolandプリンタで昇華転写印刷をお勧めするかについてです。

成熟期であっても、その業界が無くなるわけではありません。納期や、品質などの制約から、国内に残る仕事は必ずあります。このような中、プリンタ増設を続ける会社があります。自社の競争力を意識して、差別化を図っている企業です。

差別化の鍵の一つは、品質差でしょう。出力物品質で他社に差をつける手法として、Rolandプリンタの導入をお勧めします。ただし、何処にでもあるRolandプリンタではなく、当社が販売するRolandプリンタです。

 

3.サンリュウが販売するRolandプリンタは特別か?

優れた出力物の品質は、プリンタや RIP、使用資材、あるいは転写機などの単品の優秀さによって決まるものではありません。逆に、劣悪な品質は、その中の最低レベルの単品に拠って決定されてしまいます。最良な品質を得るためには、これらすべてで最高品質レベルを発揮させなければなりません。サンリュウの技術サービス陣が、これを可能にします。サンリュウが販売するRolandプリンタは、特別なものになります。

事実、先行する他の同業者の情報を得て、「あそこと同等レベルの品質にしたい」というご要望を持って来訪されるお客様があります。先行する同業者も又、当社のお客様だったということが少なくありません。このようなお客様は、新規参入者ではなく、数年の出力経験を持たれていらっしゃいます。見る目を持たれた経験者の方々の、当社の実績へのご評価と受け止めています。

 

4.特別な品質をご提供できる理由

下記が、当社がご提供できる他社より優れているものです。

・Rolandプリンタ最新機種
・Ergo Soft社 RIP
・MontiAntonio社 転写機
・HANAE 昇華転写インク
・昇華転写紙
・技術サポート力

 

1) Rolandプリンタ最新機種

xf640dXF-640

Rolandプリンタ最新機種は、高速・高品質ヘッドを搭載しており、グラデーションも従来以上のなだらかな諧調表現が可能です。1.6m、1.9m幅の二機種がありますが、1.9m幅は、より当社の競争力を附加できます。

fh740dFH-740

プリンタ価格には、通常、付属 RIP価格が含まれています。当社が販売する場合は、この RIPを捨てていただき、Ergo Soft社 RIPを使用していただいていました。ですから、不経済でした。1.9m幅機種は、付属 RIPがありません。その分廉価で販売可能になります。この機種の巻き取り装置も当社が独自のご用意するものです。両機種のインク補充装置、乾燥装置も、当社でご用意できます。

 

2) Ergo Soft社RIPpp14screend

性能の高さで業界の二大 RIPと評価されている一方が、Ergo Soft社 RIPです。海外の展示会場を歩くと、多くの関係企業が同社RIPを紹介しています。カラーマネジメント能力の高い RIPであり、昇華インクのような特殊なインクを用いる時には、その機能がフルに活用されます。

ただし、RIPに機能があるだけで安心してはいけません。その性能を最大限に引き出せなければ意味がありません。実はこれが、当社のような技術サポート会社にとっても難しいのです。17年以上にわたる捺染印刷経験から、当社は現在、業界最高のカラーマネジメント技術サポート力を保有できていると自負しています。

一例を記します。プリンタやインクを当社のものに切り替えると、以前の色との差が「リピートオーダーを請ける際に問題になるのでは?」と心配されます。当社は最高品質の出力のためのプロファイルをご提供しますが、このようなご心配を解消するため、たとえそれが正しい発色でなかったとしても、以前の出力色にできるだけ近づけたプロファイルも作製したりしています。

3) MontiAntonio社 転写機 75ts転写機でナンバーワンと言われているのが、MontiAntonio社です。加熱面を±1℃の範囲に保つ同社特許のオイルヒータ方式、3.6m幅までの大型機種も用意できる高い剛性を持つ構造、直径1.5mなどの大型熱ドラムまでラインアップした高速度転写性能、40年以上にわたる昇華転写機製造で得た作業性と安全性への配慮、などが特長です。OLYMPUS DIGITAL CAMERA当社が輸入販売を開始してから10年以上が経過しています。価格は決して安価ではありませんが、当社が国内で納入したお客さまからの、ご不満が記憶に無いほど機械品質は優秀です。又、試運転~フェルト交換まで、イタリアからの技術者派遣を要請せず、当社技術者がこれまですべて対応して来れました。当社の習得サービス技術力対してもに、一定のご信頼をいただけるのではと考えています。

m901_2000s世界市場の拡大・多様化を受けて、MontiAntonio社は近年廉価な機種の開発にも力を入れてきています。小型低価格機についてもお問い合わせ下さい。

 

4) HANAE 昇華転写インクdbottle002製造設備を持たない当社は、昇華インク製造をスタート時から外部に委託してきました。輸出まで考えて、当社ブランド名に”華恵(HANAE)”という日本名を付けました。複数の製造会社への製造委託を経て、現在のインクは EPSON社最新ヘッドに対応したバージョンになっています。蛍光色もご用意しました。もちろんRolandプリンタ最新機種にも対応しています。

発色色領域の広さ、ノズル詰まりの少なさ、価格、ロット間の品質ばらつきの少ない製造品質の継続した安定性、などが特長です。

 

5) 昇華転写紙tensyapaper01d17年前に捺染印刷システムの紹介をしてから一貫した販売を続けているのが薄手転写紙です。インクがほとんど紙に残らないほどの業界最高の転写率を誇る転写紙です。転写画像には、最高の濃度が得られます。価格は値下げを続けてきました。

厚手転写紙は”波打ちし難い転写紙”として知られています。「プリントヘッドが紙に当たる!」というクレーム時には、最高の特効薬になります。紙厚の厚い転写紙を用いても、波打ちにはあまり効果がありません。

現在最も販売量が多くなっている転写紙は、薄手よりさらに薄い”薄手ライト”です。最も安い価格、乾燥の速さ、薄いための熱伝導の速さ、などが評価される理由です。

 

6) 技術サポート力OLYMPUS DIGITAL CAMERA当社は、以上のような「世界最高の資機材」を取り扱っています。当社なら、これらを惜しみなく組み合わせてご提供できます。HP記載のように、当社には営業マンがいません。その経費節約分で、これらの販売価格を安く設定しています。大口のお客様には、営業代わりに、年数回の無償出向技術サービスも実行しています。

インクジェット業界で RIPの取り扱い20年、捺染印刷技術研究17年以上の経験を持っています。他に同様の歴史を持った会社は無いと思います。

 

5.おわりに

当社は、営業力が無く、売り込みをしませんので、売り上げが大きく伸びることはありません。これは会社の欠点ですが、お客様にとってはメリットにもなるのではと考えています。同業態のライバルを沢山作ることがないからです。投資して、高い品質提供能力を得たのに、短期間の内に、その品質が何処にでもあるものになっては落胆してしまいます。売り込みをしない当社の姿勢は、差別化を目指すお客様には、ご評価いただけるのではないいでしょうか。

 

セラミックトナーシステム構成

■セラミックトナー転写印刷システム

mztonerc2作成サンプル (画像はクリックで拡大されます)

概要

先ず、帯電性プラスチック粒子に無機顔料を付着させたセラミックトナーを用いて、水転写紙に画像をレーザープリントします。その画像を陶器やガラス製品に転写して焼成すると、本物の食器や建材などが出来上がるシステムです。

有機顔料を用いた一般のレーザープリンタやインクジェットプリンタと異なり、本システムで作製された画像は、長期屋外耐光性を持ちます。又、セラミック、ガラス質になるので、硬質になり、金属刃の引っ掻きにも耐えるようになります。

mztonerc3陶芸などへも応用できるかもしれませんね

従来のセラミックインクのスクリーン印刷と異なり、レーザープリントはデジタル方式なので、多種少量生産に適しています。商品作りを1個からでも請けられます。スクリーン印刷は熟練が要りましたが、レーザープリンタなら、印刷諸条件を設定しておけば、どなたでも同じ印刷品質を得られます。

■リコープリンタパッケージ / 関連資機材 / 他の必要設備
当社は、昨年から輸入元として、ドイツMZ Toner社のセラミックトナーの販売を始めました。セラミックトナーを搭載できるようにした国産プリンタが下記のシステムです。システムと資材の販売だけでなく、印刷技術指導を含めて、メンテナンスサービスまでを担当します。

lprt0001(1) リコー・A4サイズ プリンタパッケージ  66万円 (税抜)  ※価格は全て税抜です。
構成
Ricoh           A4 プリンタ   1台
トナー250g 4色分           1セット
ディベロッパ 4色分          1セット
色調整用ICCプロファイル  1種類

 

tidbit003サンプル拡大図 (画像はクリックでさらに拡大されます)

(2)関連資機材 (※プリンタパッケージには含まれません)
A4転写紙 100枚セット       12,500円
A4ラミネート紙100枚セット 19,000円
カバーコート    1Kg             8,000円
セラミックトナー/色x250g   80,000円
熱ラミネータ A3           5~10万円mztonera02MZスクリーン印刷キット A4  98,000円

mztonera03※ラミネータか、スクリーン印刷キットのうち、どちらかが必要です。但し、既にスクリーン印刷の設備をお持ちでその設備をご使用になる場合、購入の必要はありません。

mztonera04

mztonera05手順の参考動画の記事を見る

mztonera07

mztonera08
他の必要設備(焼成炉など)

mztonera09
■資材ランニングコスト
導入ご検討のためのランニングコストです。A4シート印刷に要するセラミックトナーは、平均1g(320円程度)程度と予想します。釉層は、カバーコートでなく、価格の高い方のラミネートで形成すると、190円/A4。転写紙は、125円/A4。全部で、635円程度になります。ラミネートでなく、カバーコートをスクリーン印刷する場合のコストは、これより安くなります。

mztonera10

その他のサンプルや作成手順の動画、他の追加情報へ

 

 

3D転写スマホカバー用素材2/タブレット

IDT社の3D昇華転写用スマホカバー、タブレットカバーの素材カタログです。(クリックで拡大されます)    3D転写スマホカバー用素材 からの続きです。

 

iPad Retina SNAP型 (iPad 3に対応)IDT22

iPad Retina SNAP型 (iPad 3に対応)

IDT23iPad Mini SNAP型IDT24

iPad Mini SNAP型

IDT25

Samsung

IDT26Galaxy SIII SNAP型IDT27

Galaxy SIII SNAP型

IDT28Galaxy SIII TOUGH型

IDT29Galaxy SIII TOUGH型

IDT30Galaxy SIV Mini SNAP型

IDT31Galaxy SIV Mini SNAP型

IDT32Galaxy SIV Mini TOUGH型

IDT33Galaxy SIV Mini TOUGH型

IDT34Galaxy SIV SNAP型

IDT35Galaxy SIV SNAP型

IDT36Galaxy SIV TOUGH型

IDT37Galaxy SIV TOUGH型

IDT38

 

Blackberry

IDT39Z10 SNAP型

IDT40Z10 SNAP型

IDT41

いずれのカバーもご用意できます。※在庫をお問い合わせください。