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デコラル瓦版14:vsラミネート

デコラル瓦版(NewsLetter)ではアルミなどの金属へ複雑な形状へのパウダーコーティング(粉体塗装)と昇華転写技術を合わせたシステムの製造を行うメーカーDecoral社の加飾物や技術をご紹介します。

今回は、粉体塗装とラミネートを比較してご紹介します。

前回までのような施工例や個別商品の紹介ではなくて、デコラルシステムのパウダーコーティング(粉体塗装)とラミネートとのコスト比較、技術解説とデコラル社の紹介やPRなどを含む瓦版です。

デコラルシステムでアルミや鉄などの金属に粉体塗装を

デコラルシステムは、アルミニウム(スチール製の場合も)などの金属へ複雑な形状へのパウダーコーティング(粉体塗装)と昇華転写技術を合わせたシステムです。

そのため、前回までの施工例や個別商品の紹介の時点では外観が完全に木目調(※というか外見からは木材と区別がつきにくいぐらい)や、全面フルカラー画像になってたりしています。

それに対し、今回のデコラル瓦版では元々のアルミ製の基材の写真(画像を見てみるとどの基材も金属特有のメタリックな銀色のようですね)や、パウダーコーティングを塗装中と思われるイメージ写真などもご紹介しています。

 


粉体塗装は平均で 30%~40% も安価

 

粉体塗装の生産ラインはより自動化され、労働生産性が高い

 

デコラルシステムでアルミや鉄などの金属に粉体塗装を

粉体塗装された金属へ木目調の昇華転写も完了した完成品アルミ材の取り出し

 

店舗正面への木材風アルミ材の施工例

デコラルの昇華転写アルミ材を木目風の屋外向け建材として使用

ラミネートは基本的に屋内専用品が多く、それに対し粉体塗装は屋内でも屋外でも使用可能

 

複雑な形状の金属にデコラルシステムで昇華転写

粉体塗装表面は完全に覆われているので、ラミネートのように簡単に欠けたり剥がれたりしない

 

 

パウダーコーティング(粉体塗装)とラミネートのコスト比較

パウダーコーティング(粉体塗装)はラミネートの代替技術として、幅広いアプリを提供しつつコストを抑え、製品の質を高めます。

ここで解説するデコラル社の装飾技術を使い、あなたの想像力の限界に挑む、最高の製品を作ってみませんか。

 

粉体塗装と比較すると、スタンダードなラミネートは用途と最終製品の結果においてかなりの制限があります。以下に、ラミネートと比較した粉体塗装の利点を説明していきます。

屋外への施工例(木材風アルミ材)

粉体塗装(パウダーコーティング)とその他の選択肢

様々な技法と選択肢が商品表面の保護と美観向上のために考えられます。そのうちのポピュラーな選択肢としては、粉体塗装とラミネートの2つでしょうか。どちらにも長所と短所はありますが、以下に粉体塗装がラミネートや他の選択肢よりも優れている理由をあげていきます。

 

強度があるので穴あけや切欠き加工が可能

 

粉体塗装の比類なき耐久性

粉体塗装は信じられないほど堅牢で耐久性のある表面を作り出します。粉体塗装された表面は傷みに強いのです。それに対しラミネートは経年劣化で傷がついたり、一部剥がれたり、欠けたり、全面的にラミネート部分だけ剥がれ落ちたりしやすくなります。粉体塗装はこの特性により、屋外向け家具や他の過酷な環境にさらされるような製品の表面に最適なのです。

屋外への施工例(木材風アルミ材)

 

粉体塗装は均一な表面仕上がりが可能

粉体塗装は継ぎ目なく均一な仕上げを提供します。そのため粉体塗装でコーティングされた素材の質感や構造を本当の意味で引き立てます。しかしラミネートは目に見える継ぎ目や縁ができやすく、見た目が悪くなることがあります。

 

粉体塗装で可能になる幅広い選択肢

粉体塗装は、幅広いレンジのカラーオプション、表面質感(テクスチャー)、仕上げを誇ります。この特長により、お客様の美術的な嗜好をはじめとした様々なニーズに合わせて製品をカスタマイズすることができます。一方、ラミネートの場合は多少のデザインの汎用性を備えていますが、いずれの項目も粉体塗装よりも限られた範囲でしか提供されていません。

アルミ製ドアを大理石風+木目調に施工

保安室アルミ金属ドアを大理石風ドアに

 

エコロジカル

粉体塗装はエコロジカルな選択肢です。溶剤を使用せず、揮発性有機化合物 (VOC) を殆どまたは全く発生させず、廃棄物も最小限に抑えます。これは、VOCを含む溶剤を使用するタイプのラミネートよりもはるかにエコロジカルです。

 

より高い耐性

粉体塗装された表面は、湿気、過酷な日光、化学薬品に対して優れた耐性を示します。その驚くべき耐性により、粉体塗装は屋内向け用途にも屋外向け用途にも最適です。逆に、ラミネートは一般的に屋内でのみ使用され、粉体塗装と同等の耐性は備えていません。

 

バルコニーに木目調アルミ製手すりを設置

バルコニーに木目調アルミ製手すりを設置

 

デコラルシステムのパウダーコーティング(粉体塗装)が選ばれる理由

デコラル社には誇りがあります。粉体塗装業界の革新者であることの誇りです。デコラル社はこの業界でほぼ50年の経験、画期的な革新技術、そして数々の受賞歴を持っています。それらは以下のような技術やノウハウとして結晶化していると言えるでしょう。ぜひデコラル社のパウダーコーティング技術と製品に実際に触れて、体験してみてください。

最先端の技術:デコラル社は常に研究開発に投資し、卓越した製品を提供できるように努めています。70件以上の登録特許を持ち、業界をリードするソリューションとデコレーションプロセスを洗練させる技術開発の最前線にいます。

オーダーメイドソリューション:すべてのプロジェクトに万能なソリューションはありません。私たちはあなたと緊密に協力し、あなたのデザインの好みに合った粉体塗装ソリューションを見つけるお手伝いをします。光沢仕上げでもマット仕上げでも、完璧なソリューションを見つけるお手伝いをします。

プロフェショナリズム:熟練した専門家チームが粉体塗装の技術に習熟しており、すべてのプロジェクトに対しふさわしい注意を払って行われるようにしています。

 

粉体塗装のメリットを今すぐ体験してみてください

粉体塗装は、ラミネートなど他のソリューションに比べ多くの利点があります。耐久性、耐衝撃性、ひっかき耐性等に優れ、より多くの色、質感(テクスチャー)、仕上げのタイプを選択できます。また、エコロジカルでメンテナンスも簡単です。

ですから、ぜひ最高の選択肢であるデコラル社の粉体塗装を選び、卓越した耐久性、美観、パフォーマンスを体験してください。

粉体塗装のプロセスとそのメリットについてもっと詳しく知りたいですか? 粉体塗装に関するご質問があれば、ぜひお問い合わせください。

 

 

 

 

【事例紹介】「昇華インク」「耐光性」について

今回は、「昇華インク」「耐光性」などに関する記事(事例紹介)です。

お客様から、昇華転写した生地の「耐光性の不足」についてお問い合わせをいただきました。

お客様には、他社インクと比較して弊社インクの耐光性が劣っていないことをご説明して一件落着しました。しかし、そこで終わっては普通の会社です。当社のお客様に「より貢献できることはないか?」と考えました。

そして、今回は下記の結果をお客様に追加報告し、ご満足いただくことができました。

追加で確認・報告した内容は、大手メーカー純正インクとの比較結果です。

当社の昇華インク(HANAE PX-H)と、大手メーカー2社の純正インクの3種のインクで試験片を複数個作成し、公的検査機関の試験に出しました。
研究開発型商社の当社ですから、単純に試験に出すのでなく、当社の経験から、耐光性がより良くなると思われる印刷・転写条件を考え、試験片を加えました。

今回実施した試験は、「耐光堅ろう度試験(JIS L 0842)」です。

次の画像は比較結果です。

まずご確認いただきたいのは、大手プリンタメーカー(結果の①A社と②B社)のインク間にも差が出たことです。当社昇華インクの耐光性は①A社と同等でした。
また、印刷・転写条件を変えた試験片での耐光性は、お客様条件で作成したものの結果よりワンランク向上しました。同じインクを用いていますが、適切な条件とそうでない場合とでは耐光性に差が出るのです!

今回の試験方法と周辺情報を記載します。

各メーカーが公表している耐光性などの数値は、メーカー毎に条件が異なるため、単純に比較することができません。そこで当社の今回のような独自テストが有効になります。

当社では、こういった試験では、同じ条件でテストしますが、通常は、プリンタの差、インクの差などにより、同じ条件にすることが困難です。

当社は、RIPソフトや色合わせの知識も経験もありますので、ほぼ同じ条件にすることが可能です。今回は、各社の転写後の濃度を分光測色計などで計測するなどして、最終的に色差ΔE0.5以内の状態にしました。こうすることで、各社のプリンタ・インクなどの差を無視できる状態になります。


◆試験条件

・試験インク:大手プリンタメーカーの純正インク(A社、B社)を
それぞれのプリンタで印刷。三社目が弊社PXHインク
・転写物  :Tシャツ用ポリエステル布
・印刷条件 :C、M、Y、K 各100%のベタ画像
・転写条件 :弊社平台プレス機で、CMYK各色を通常の転写条件で転写


◆耐光性【JIS L 0842】の結果詳細
インク    C   M   Y    K   C(条件変更)
—————————————————————————————
A 社    3未満  4    4   3-4    -
B 社    3未満  3-4   4   3-4    -
当 社    3未満  4    4   3-4    3

※B社のMインクは、耐光性がやや劣る結果でした。
※条件を変更したCインクは、3未満が3にUPしました。


ご注意ください

試験結果は、試験方法、印刷濃度、転写条件、被転写物などの状況により、異なることがあります。上記の試験結果は、あくまで当社での今回のサンプル作製物に対する結果とご理解ください。


株式会社 サンリュウ

〒334-0073 埼玉県川口市赤井 1-10-7
Tel: 048-446-6786
www.sanryu.com

Duraluxeパネルを使った金属板記念盾の作成手順動画

Angie Holdenさんの、Duraluxeパネル金属板を使った記念盾の作成手順動画を紹介します。 動画は↓下の方にあります。

 

日本語字幕にした動画のスナップショット画像

完成済Duraluxeパネルの記念盾が沢山。記念盾は自立します。

印刷済み昇華転写紙などを用意します。

いよいよDuraluxeパネルの転写です。

自立させるため転写後に折り曲げます。

 

 

音声は英語ですが、再生中に画面右下の設定で、字幕を自動生成から自動翻訳にして、言語のリストから下の方にある日本語を選択すれば、日本語字幕が表示されます。(スナップショット画像が日本語字幕を表示させた状態です)Duraluxeパネルを使う時のノウハウや印刷済み転写紙の取扱い、熱プレス機での金属板への昇華転写の大体の手順はつかめると思います。

昇華転写関係の動画を沢山作られてますね → Angie Holdenさんのyoutubeチャンネル

 

 

 

 

 

Duraluxeプレート事業のご提案

折り曲げ加工が可能な(Bendable)昇華転写アルミ板 Duraluxeプレート事業のご提案

 

■Duraluxeプレートのご紹介

Duraluxeプレート(デュララックス プレート)は、サンリュウが発売準備中の昇華転写用のアルミプレートです。米国Duraluxe社の商品で、長期屋外耐候性などが評価され、世界で販売が伸びています。

 

長期屋外耐候性(耐光性)以外にも様々な特徴があります。
その中の一つが、画像を形成した後で、外形切断や、パンチングなどの後加工が出来ることです。折り曲げ適性もあり、素材が曲がっても塗膜が脱落しません。ですから、画像の形に合わせた加工が出来る訳です。

フォトフレームは、下部を水平方向に折り曲げれば、自立スタンド式フレームに出来ます。

外形切断も:画像に沿って余白を切り落として造形することも出来ます。クリエーターの発想を、自由自在に形に出来ます。世界に一つだけのオリジナル商品を作ってみませんか?

 

 

■Duraluxeプレートの他の特長

外形切断等で複雑な形状に加工可能

 

他にも特徴があります。ラメパウダーを混入した塗膜のようにきらきらと光るプレートがあります。夜空の表現などには最適です。

ラメパウダー入りプレートの拡大図

 

蓄光性を持たせたプレートもあります。

周りが暗くなると光ります。非常用の案内板などに用いられます。発光は最長で約8時間持続します。

抗菌性を持たせたものは、細菌の繁殖を抑制します。病院や幼稚園などで、多くの人が触れるようなものにお勧めです。ティッシュボックスカバーなどにいかがでしょうか。

アルミ地肌を露出したように白地の無いプレートもあります。金属感表現に便利です。特注になりますが、示温性能を持たせたもの(特定の温度で色を変化させる)もご用意できます。

 

 

■最大の特長は長期屋外耐候性です

昇華転写画像は、屋外に掲示すれば、数か月で色が褪せてきます。対候性が高いといわれている顔料インクを使用した画像でも1年以上の耐候性を得るのは難しいものです。Duraluxeプレートなら、オーバーコートや、ラミネートフィルム加工無しに、屋外耐候性5年保証のものまであります。フィルム加工等の追加工程がないので複雑な構造にならず、フィルム剥がれ等の恐れもありません。

ペットハウスなど、屋外に設置して使用する実用的な商品も作れます。屋内設置ならもちろん、数十年の耐候性が予想されます。記念品にも最適です。

 

 

■不燃性も忘れてならない特徴です

日本での不燃性認定試験手配はこれからですが、世界ではすでに多くの国で認定され、使用が広がっています。ロンドンの繁華街ビル外壁を始めとした、人の大勢集まる欧州の各所、繁華街外壁や地下鉄駅外壁などに、又、毎年長期の火災が起きて不燃性向上に真剣な国・オーストラリアでは、ビルから一般家庭の家やフェンスまで、Duraluxeプレートの採用実績を上げればきりがありません。

取りあえずは、日本の家庭でのご使用に、キッチンに設置するバックスプラッシュはどうでしょうか。

シンプルなキッチンの壁面に、残新なデザインの大き目なパネルを貼るリフォームを行えば、相当の気分転換になるはずです。もちろん新築時に施工することも可能です。

 

 

■社内加工体制の構築

既に昇華転写をお仕事にされているなら、CNCルーターの導入で上記のような折り曲げ可能な昇華転写アルミ板Duraluxeプレートを使った様々な新商品の創造に挑戦できます。

CNCルーターは、外形切断、穴あけ加工、折り曲げ線の溝掘り、が出来ます。操作は、CAD/CAMソフトを習得すれば、どなたでも出来ます。

 

こちらの動画 ↓ もぜひごらんください

参考動画:昇華転写用耐候建装材「Duraluxe」、硬質素材への昇華転写印刷ビジネスについて

昇華転写でお困りのことはありませんか? Monti Antonio社との歩み

■Monti Antonio社との歩み
イタリア・Monti Antonio社の熱転写機が業界で普及しています。当社が、19年前にこの会社の商品を日本に紹介を始めたことは、前に記しました(→2018年の記事)。紹介と販売を開始した当時は、昇華転写を知る会社が現在より少なかった時代なので、拡販に苦労しました。

昇華転写が広く知られるようになった今は、型式まで指定してこられるお客様も少なくありません。

独占販売だった当時と異なり、同社の機械は、現在は複数のチャネルから購入が可能です。このような状況の中でも、ご購入の際に、当社を指名していただけるのはありがたいことと思っています。その理由をお聞きしますと、一つがアフターサービスの経験、二つ目が、転写紙や下紙からカラーマネジメントまでを含む技術コンサルティング力を挙げて頂くことが多いようです。

 

■当社のアフターサービス技術力


そう言えば、大型フラットベッドタイプから、大型輪転高速機、小型リボン布転写システムまでの様々なタイプのシステムを納品してきましたが、19年間に及ぶ販売期間でメーカー技術者の出向要請をしたことが一度しかありません。その一度も、通常のMonti社機械品質ならあり得ないレベルのものです。メーカー工場でのヒーター組み込み不良が原因で、顧客へ納入後にシステム中心部まで分解する大規模な修復作業が必要でした。

添付の写真 ↓ は、直径1mx幅2.6mの熱ドラムを搭載した輪転転写機の熱ドラムベアリングを交換した時のもので、当社で製作したベアリング交換用治具類の写真です。

熱ドラムはもちろん、ベアリングだけでも100Kgもありますから、簡単には取り外せません。メーカーから必要な情報を得て、熱ドラムを浮かせてベアリングを抜き取れるよう用意しました。当時、このような重量物の取り外し作業は、当社としても初体験でした。不安はありましたが、メーカーサービスマンを呼ばなくても済むよう、トライしてみました。これからも、迅速に、低コストで、お客様のサポートが出来るよう工夫して行きたいと考えています。

 

■当社の技術コンサルティング力
技術コンサルティングの最近の例を記します。転写した時に、下紙(ベースペーパー、アンダーペーパー、プロテクションペーパー、捨て紙) にしわが出て、布に転写不良が出るというご相談をいただきました。お客様の下紙をご送付頂いて調べると、比較的変形しやすい紙と分かりました。ガスバリア性も優秀ではありません。ただし、下紙だけを取り上げても、根本的問題解決には至りませんでした。

 

「ガスバリア性比較結果」

(左:当社の下紙、右:お客様の下紙)

(下紙に転写を試みて、昇華ガスを貫通させ、その下に置いた布をどれだけ汚すか比較しました)

 

転写機のプレス圧(輪転機ならフェルトテンション)と熱の分布、使用されている布の滑り性と熱収縮性、作業環境の湿度など、これらすべてがしわ発生の原因になり得ます。転写紙を変更すれば、出力色が変わる可能性があります。同じ色を得るには、カラーマネジメントサービス力がものを言います。

このように、設備や資材の一つだけ優れたものをお選びになっても、理想的な品質と高い作業効率を得ることは難しいものです。ですから当社では、昇華転写業界で世界トップクラスと言われる転写機、リップ、インク、転写紙、下紙までを揃えて、お客様の現場に合った最高の組み合わせをご提供できるよう努めております。

 

インクジェット昇華転写業界で、25年の技術蓄積を生かした技術コンサルティングをご提供しています。お困りのことがありましたら、一度ご相談をお寄せくださいますようお願い申し上げます。

 

マルチパス方式とシングルパス方式の違いについて

一般的なインクジェットプリンタはマルチパス方式(またはシリアルヘッド方式とも言う)で、プリントヘッドが往復しインクを滴下します。この往復をPass(パス)と呼び、2 Passなら、プリントヘッドが往復し2回重ね印刷を行なって品質を上げていきます。重ね印刷を行なうので、高濃度・高品質の印刷品質が得られ、主に写真画像など高品質な印刷に適しています。

マルチパス方式(シリアルヘッド方式)

シングルパス方式(ラインヘッド方式)

シングルパス方式(またはラインヘッド方式とも言う)は、プリントヘッドを固定して搬送装置が移動し1 Pass印刷を行ないます。搬送装置の速度は 「50m/分 以上」の高速で印刷することができます。
印刷処理能力が高く、ラベルの様な大量印刷に適しています。
1つのノズルが詰まると、印刷結果で顕著に現れます。安定した印刷品質を得るために、プリントヘッドとインクのマッチングや乾燥適正、インク吐出周波数の調整など高いハードルがあります。

EPSONさんやCanonさんなど大手プリンターメーカー各社では、ラベル用途の小型モデルでシングルパス方式が採用され始めています。MS社やDUST社などの産業用プリンターメーカーの多くでも、生産機という位置づけのシングルパスプリンターがラインナップされています。Memjet社では廉価で222mm幅の広幅プリントヘッドが発売されています。インクジェット分野は速いスピードで進化をしていて、さらに印刷能力のアップとコストダウンが同時進行しています。

既存技術であるオフセット印刷やシルクスクリーン印刷に取って代わるシングルパス方式が主流になる時代が確実に近づいています。

最後に、弊社の可食プリンタは、マルチパスプリントとシングルパスプリントの両装置をラインナップしています。

フードプリンタNF4450-E3(マルチパス方式)

マルチパス方式(シリアルヘッド方式)

フードプリンタIL-168(シングルパス方式)

シングルパス方式(ラインヘッド方式)

Coldenhove社昇華転写紙のご紹介(続)

■転写紙メーカー名公表後

前回紹介(昇華転写への軌跡)したおかげと思います。転写紙問い合わせでメーカー名の「Coldenhove」や「コールデンホフ」という検索用語で当社HPに来訪されるお客様が増えているようです。これらのお客様の多くが、当社が日本で未発売の転写紙についてもメーカーの型番を指定してのご質問やサンプル送付依頼を下さいます。皆様がインターネット検索を駆使して情報収集に熱心なことを感じると同時に、Coldenhove転写紙の日本販売代理店として、メーカーの商品を正確に幅広くご紹介しなければいけないということを痛感させられています。

■Coldenhove社 日本市場担当・Gijsbert Harmsenさん
Harmsen(ハームセン)さんが、私どもをフォローしてくれる営業責任者です。年に何回かは来日して、情報交換をさせてもらっています。遠方であっても、ある程度の使用量を期待できるお客様には、出張して一緒にご訪問させていただいたこともあります。私どもからだけでなく、メーカーの方針や最新市場動向などをHarmsenさんから直接聞きたいというお客様はご一報ください。来日時期とお客様の都合が合えばご訪問予定を取らせていただきます。

https://www.coldenhove.com/contact/our-sales-team.html

↑Coldenhove社セールスチーム/Harmsenさん写真も掲載されてます。

 

■転写紙型番の数字の若干の違いについて
当社の商品名「薄手 Light」としている商品は、メーカー品番では Jetcol HTR1000です。メーカーホームページには、Jetcol HTR1100という型番も載っており、混乱するかも知れません。仕様説明内容を読むと、重量が 66gと64gと違いはあるものの、他の内容は全く同一です。ですから、違う商品が用意された訳ではないのです。メーカーが一部設備を更新して製造した結果、工程の関係からこのような差が出ているもので、異なる品質の商品作りを目指したものではありません。転写画像品質も変わらないので、皆様は同一商品と解釈して結構と思います。

■ジャンボロールの取り扱いを開始します
前回紹介したように、高速プリンタの普及に伴い、転写紙の販売が急速に伸びています。プリンタに搭載される転写紙ロールは長尺化して、千m台の長さのミニ・ジャンボロールから、1万mを超えるジャンボロールが用意されています。その代表的商品が Jetcol Industrial Xtremeです。幅は、1620mm~3200mmです。当社もこの取り扱いを開始します。ご興味のある方はお問い合わせ下さい。

 

■付随技術
ジャンボロールは、長尺化に伴いロール直径が大きくなり重量も増します。これを押さえるのには紙厚を薄くすることが効果的です。薄くなった紙でもインク中の水分でコックリング(波うち)が起こらないようにするために、濃度の高い昇華インクが求められます。濃度の高い昇華インクは、ヘッドが詰まり易い傾向があります。当社はこのための詰まり難い高濃度昇華転写インクもご用意しました。このインクは一般的な1.6m幅程度のプリンタにも搭載できます。日頃、印刷中に、「ヘッドが転写紙に当たってしまう」とお困りの方は、ぜひこの高濃度インクをお試しください。

 

『転写用楽枠ライト』のご案内第二弾です!

小型熱プレス機用Tシャツ拡張フレーム『転写用楽枠ライト』を前回発表 しました。Tシャツに、転写用楽枠ライトを装着して転写機へ→ 装着したまま熱プレス→ 装着したまま取り出しで、作業効率UP!

Tシャツ拡張用のフレームで、転写作業時の効率アップ、火傷避けに効果等を期待できるものです。

 

「特に、熱プラテンを上下旋回開閉する「あおり式とかヒンジ式と呼ばれる転写機の場合は、上下空間が狭いので効用大とお伝えしました。今回は実際の使用方法についてです。

あおり式転写機のプラテンは上昇させると手前側は大きく開きますが、奥の方は非常に狭いスペースしかありません。ここに手を差し込んでのシャツ拡張作業は注意を要します。プラテンに触れて、火傷し易いのです。

写真1 Tシャツを楽に転写機にセット、そのまま熱プレス可能

写真1のTシャツは、転写用楽枠ライトを通して広げられた状態で、転写機に立てかけられています。転写用楽枠ライトを使えば、このようにシャツをぴんと張った状態に維持させることが出来ます。ですから、狭いスペースであっても、手を奥に差し込む必要は無く、安全にセット作業が出来ます。転写機にセット後に、そのまま(Tシャツに転写用楽枠ライトをセットしたまま)で熱プレスを行います。転写後の取り出しももちろん簡単です(写真2)。

写真2 熱プレス後、転写用楽枠ライトごとTシャツを楽に取り外し

 

ここで使用方法についてのアドバイスです。

写真3 Tシャツと転写用楽枠ライト

転写機の奥中央に支柱があって、奥行き方向スペースが十分ある場合:

写真3の転写用楽枠ライトとTシャツは、転写機の奥中央に支柱があって、奥行き方向スペースが十分ある場合の上下です。

写真4 支柱が奥にある転写機なら左右の中心出しが容易

この上下位置でTシャツと共に転写用楽枠ライトの中央上部のフレーム凹みを転写機支柱に押し当てれば、簡単に左右の中心が出せます。

支柱が奥にある転写機なら、Tシャツに、転写用楽枠ライトを装着して転写機へ(容易に左右の中心出し)→ 装着したまま熱プレス→ 装着したまま取り出しで、作業効率UP!

 

転写機の奥行き方向スペースが十分にない場合:

それに対し、あおり式転写機では、中央上部のフレーム凹み部を差し込むだけのスペースが無い機種が多くあります。この場合は、フレーム上下を逆転させて使用します(写真1、写真2参照)。スペースが狭い機種でも、転写用楽枠ライトの使用が可能になります。

写真5 奥行方向が十分ではない転写機の場合は上下を逆に

 

お使いの転写機寸法が特殊で、上記使用方法でも転写用楽枠ライトを利用できない場合はご相談ください。特別仕様の転写用楽枠ライトも検討させていただきます。

 

★同業者様へのご注意
転写用楽枠ライトは、その使用法などに関する特許申請をしています。同様商品を発売される場合はご注意ください。なお、申請間もないので、特許は未だ公開されていません。

 

※2018.8月に小型熱プレス機用Tシャツ拡張フレームの商品名称を変更しました: 楽枠ライト → 転写用楽枠ライト

 

「売らないシステム」のご紹介

今回は「売らないシステム」のご紹介です

写真のシステムが何か分かりますか?

写っているプリントヘッドは固定型ラインヘッドです。そうです。これは当社が開発して、国内だけでなく米国輸出も開始した可食インクを搭載したフードプリンターです。

フードプリンターは販売商品ですが、ご紹介する搬送システムは販売品ではありません。水平方向に細長くガイドが伸びているものが搬送システムです。これが、今回ご紹介する売らないシステムです。

では、何のためのご紹介でしょうか?皆様にとってのメリットは何になるのでしょうか?このような疑問を持たれるのは当然です。答えはこのようになります。

前回は、当社技術者による Monti Antonio社 M-76型転写機の出荷前確認作業やMonti Antonio社との歩み をご紹介しました。問題の無い確かなものをお客様にお届けしようとする当社、株式会社サンリュウの姿勢をお伝えするためでした。今回の搬送システムは、分速30m以上の高速プリントが安定して持続できるのかを実証するための社内テスト目的で開発したものです。

今回も前回と同じく、当社の顧客本位の姿勢をお伝えしようとご紹介する記事です。

 海外へフードプリンターを販売する時には、各地域ごとに使用できる、承認された色素が異なります。当社の日本製インクは海外では販売できません。米国輸出時には、米国で承認された色素でインクを用意しなければなりません。インクメーカーとの共同開発になります。搭載するヘッドに合わせた吐出用波形を用意して、インク粘度も調整します。試作した新しいインクは、印刷適性をチェックしなければなりません。
今回ご案内している搬送システムを活用して長時間の連続印刷を行い、インクの安定性を確認するのは当社の役割です。

 このように書き始めていたのですが、海外代理店に当社の様子を伝えた所、自分たちのデモ機でも同じような確認テストを出来るようにしたいと引き合いが入りました。この記事が載った頃には、海外への販売が決まっているかも知れません。「売らないシステム」は、「売ることもあるシステム」に訂正が必要になるのでしょうか。

Monti Antonio社との歩み

「貴社の転写システムを日本で販売できないかどうか、問い合わせしました」

こう、インターネットで検索して見つけたイタリアの Monti Antonio社に問い合わせを入れたのは 2002年の11月です。もう16年前になります。以後、直輸入を開始して、大型フラットベッドタイプから輪転高速機までの様々なタイプのシステムを日本で販売してきました。写真のシステムは小型輪転リボン布用転写システム、M-76型です。

ご覧の写真のように、納入前には、当社技術者が出荷前の確認作業を行います。当社の自慢は、15年のアフターサービス必要期間でメーカー技術者の出向要請をしたことが一度しかないということです。その一度も、顧客へ納入後にシステム中心部まで分解しなければならないメーカーのヒーター組み込み不良によるもので、通常のアフターサービスでは必要の無いレベルの物でした。通常のアフターサービスでは、大型輪転システムのフェルト交換作業などを含め、豊富な経験を持った社内技術者が対応しています。

 現在は、Monti Antonio社システムを取り扱う他の商社も出てきています。それでも、少なくないお客様から、営業をしないでもご購入の際にご指名頂ける理由を、20年以上前に取り組んだインクジェット昇華転写印刷のカラーマネジメント技術を含めた当社技術サポート力と捉えています。「しわが発生するので下紙が悪い。もっと薄いものが良い」と訴えてこられたお客様がいらっしゃいましたが、当社サービス技術者がシステムの使用方法をアドバイスした結果、同じ下紙を問題なく使えるようになった例などもあります。

https://www.youtube.com/watch?v=n-JaE9UcqII

ここで、新規に転写システム導入をご検討に皆様に是非ともお伝えしたいことがあります。他社の転写システムと比較すると、Monti Antonio社システムは高価です。迷われると思いますが、予算が取れるのであれば絶対お勧めです。当社のお客様で、導入後にシステムに苦情を言われるお客様はいらっしゃいません。予定されたご商売が無くなったところ以外は、ほぼ満足され、多くが二台目以降もMonti Antonio社システムを導入されています。

 当社も、昇華転写印刷取組み時期にアジア製の廉価なシステムを取り扱ったことがあります。それなりの活用はされたのですが、比較すると頻繁な故障対応が必要な上、品質が限定されていました。当社の顧客で、高い印刷品質で各社の目標になっているお客様も、お使いのシステムはMonti Antonio社のものです。このシステムをお勧めしているのが(株)サンリュウであるということをご検討材料の中にお加えください。

→ さらに詳しく Monti Antonio社の転写システム について