昇華転写でお困りのことはありませんか? Monti Antonio社との歩み

■Monti Antonio社との歩み
イタリア・Monti Antonio社の熱転写機が業界で普及しています。当社が、19年前にこの会社の商品を日本に紹介を始めたことは、前に記しました(→2018年の記事)。紹介と販売を開始した当時は、昇華転写を知る会社が現在より少なかった時代なので、拡販に苦労しました。

昇華転写が広く知られるようになった今は、型式まで指定してこられるお客様も少なくありません。

独占販売だった当時と異なり、同社の機械は、現在は複数のチャネルから購入が可能です。このような状況の中でも、ご購入の際に、当社を指名していただけるのはありがたいことと思っています。その理由をお聞きしますと、一つがアフターサービスの経験、二つ目が、転写紙や下紙からカラーマネジメントまでを含む技術コンサルティング力を挙げて頂くことが多いようです。

 

■当社のアフターサービス技術力


そう言えば、大型フラットベッドタイプから、大型輪転高速機、小型リボン布転写システムまでの様々なタイプのシステムを納品してきましたが、19年間に及ぶ販売期間でメーカー技術者の出向要請をしたことが一度しかありません。その一度も、通常のMonti社機械品質ならあり得ないレベルのものです。メーカー工場でのヒーター組み込み不良が原因で、顧客へ納入後にシステム中心部まで分解する大規模な修復作業が必要でした。

添付の写真 ↓ は、直径1mx幅2.6mの熱ドラムを搭載した輪転転写機の熱ドラムベアリングを交換した時のもので、当社で製作したベアリング交換用治具類の写真です。

熱ドラムはもちろん、ベアリングだけでも100Kgもありますから、簡単には取り外せません。メーカーから必要な情報を得て、熱ドラムを浮かせてベアリングを抜き取れるよう用意しました。当時、このような重量物の取り外し作業は、当社としても初体験でした。不安はありましたが、メーカーサービスマンを呼ばなくても済むよう、トライしてみました。これからも、迅速に、低コストで、お客様のサポートが出来るよう工夫して行きたいと考えています。

 

■当社の技術コンサルティング力
技術コンサルティングの最近の例を記します。転写した時に、下紙(ベースペーパー、アンダーペーパー、プロテクションペーパー、捨て紙) にしわが出て、布に転写不良が出るというご相談をいただきました。お客様の下紙をご送付頂いて調べると、比較的変形しやすい紙と分かりました。ガスバリア性も優秀ではありません。ただし、下紙だけを取り上げても、根本的問題解決には至りませんでした。

 

「ガスバリア性比較結果」

(左:当社の下紙、右:お客様の下紙)

(下紙に転写を試みて、昇華ガスを貫通させ、その下に置いた布をどれだけ汚すか比較しました)

 

転写機のプレス圧(輪転機ならフェルトテンション)と熱の分布、使用されている布の滑り性と熱収縮性、作業環境の湿度など、これらすべてがしわ発生の原因になり得ます。転写紙を変更すれば、出力色が変わる可能性があります。同じ色を得るには、カラーマネジメントサービス力がものを言います。

このように、設備や資材の一つだけ優れたものをお選びになっても、理想的な品質と高い作業効率を得ることは難しいものです。ですから当社では、昇華転写業界で世界トップクラスと言われる転写機、リップ、インク、転写紙、下紙までを揃えて、お客様の現場に合った最高の組み合わせをご提供できるよう努めております。

 

インクジェット昇華転写業界で、25年の技術蓄積を生かした技術コンサルティングをご提供しています。お困りのことがありましたら、一度ご相談をお寄せくださいますようお願い申し上げます。