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濃色地Tシャツ用転写紙SB DARKのご案内【続編1】

 

前回の記事に多くの反応をいただいているようなので、続編を掲載することにしました。

◆前回記事(19/05/31更新分)
濃色生地Tシャツ用転写紙SB-DARKのご案内https://sanryunews.com/2019/05/31/sb_dark_toner_transfer/

 

今回は、AB両シートを用いた転写における各種問題についてより詳細に記してみます。
引き続き、受像紙をAシート、白糊層を形成した糊層転写紙をBシートと呼びます。

皆様が抱えていらっしゃる問題は、下記のようなものになるでしょうか?

1)細部の転写が出来ない
2)商品価格が高い
3)作業性が悪い
4)不良率が高い
5)商品取り扱いに注意が要る

こうした問題に対し、『その問題、ここが違う!』とし、続編では、よりご理解いただけるようご説明いたします。

 

なお、本稿での転写結果等に関しては、全て当社社内テストによる結果です

◆1)細部の転写ができない

SB DARK転写紙採用なら、1)の細部の転写については問題が解消し、小さな点部まで再現できることを前回記事最後部に転写サンプル写真を添えてご紹介しました。

今回は、実際に競合C社転写紙との比較です。

上の写真が競合C社転写紙を用いた、当社社内転写テストの結果です。
下の写真の当社SB DARK転写紙結果と一致しない箇所があります。


競合C社転写紙の転写結果


当社SB DARK転写紙の転写結果

左方に垂直線が並んでいますが、競合C社転写紙の方は垂直線の間に白っぽいべた線が見えます。丸べた下方にもつながった何かが付いています。これがカスと呼ばれているもののようです。セロテープなどで剥ぎ取れば除去できるのですが、なかなか面倒な作業です。さらに丸べた自体はどうなっているでしょうか?青丸一個が脱落し、赤丸一個が半分に欠けています。因みにこの丸べたの直径は1mmです。一方のSB DARK転写紙の転写結果には、これらの問題は見つけられません。

この差を生む原理については、未公開特許なので前回は説明を控えさせていただきました。今回は少しだけ追加説明します。秘密は受像紙にあるのです。添付写真をご覧ください。


各社Aシート上の画像剥離テスト結果

Aシートに載っている画像の碁盤目剥離テストを行ったものです。Aシートは4種類並べました。左から、競合メーカーのAシート(フィルムF1)、競合メーカーのAシート(紙P1)、私どものTC DARKのAシート(紙P2)、そしてSB DARKのAシート(紙P3)です。セロテープの粘着力で引き剥がされますが、碁盤目部分の画像は、F1とP3の上だけは残りました。P2、P3は、碁盤目部分以外も脱落しています。皆様も、お使いのAシートを使って同様の確認をしてみて下さい。

セロテープ碁盤目剥離テストでAシート上に画像が残るということは、白色接着層をBシートからしっかり受け取れるということになります。SB DARK転写紙で小さな点まで再現できる理由の一つがここにあるのです。

もう一つが、画像部の生地への転写です。生地に熱プレスで圧着されたAシートを剥がそうとすると、生地が伸びたりします。SB DARK転写なら、生地が引っ張られることは全くありません。白色接着層を受け取る時と異なり、生地への転写時には画像が容易に剥がれるからです。これも、小さな点まで剥がれることなく生地転写出来る理由の一つです。

 

◆2)商品価格が高い

次は、2)の商品価格です。皆様ご不満をお持ちのように、各社いずれも安くありません。まとめて発注量を増やせば値引き販売はあるのでしょうが、A3サイズのAB両シートセット定価は下記のような範囲のようです。
これだけの大きな価格メリットが得られるなら、問題解決ではないでしょうか?

競合A社    720円
競合B社    800円
競合C社   620~720円

当社TC DARK  460円
当社SB DARK  460円

 

◆3)作業性が悪い

3)の作業性の評価ですが、Tシャツ転写の標準的なワンステップ転写紙と比べると、作業時間がかかるのは否定できません。AB両シートを使った白色接着層の転写作業が入るので、改善程度に限界があると言わざるを得ません。上記各転写紙を用いた転写作業の所要時間は、下記のようです。推定時間は、各社のHPやマニュアルの中から算出したものであり、当社の理解に誤りがあれば申し訳ありません。ご指摘頂ければ修正します。

所要時間比較 接着層転写  生地へ転写  再プレス  合計時間
————————————————————————————————-
競合A社     45秒      5秒    20秒    70秒
競合B社     90        30    10-30    130-150
競合C社      20-30       20       15         55-65
当社TC DARK     80       22       10       112

これらに対して、皆様のご期待に応えられるかどうか、SB DARK転写紙における作業性のチェックも行いました。下記が、所要時間結果です。作業性は、接着層転写、生地へ転写、再プレス、の合計時間が最短となり、業界最高レベルと成りました。なお、使用設備などで差が出ることも考えられるので、保証値ではありません。

所要時間比較 接着層転写  生地へ転写  再プレス  合計時間
————————————————————————————————-
当社SB DARK    20秒      3秒    20秒    43秒

 

次に、転写工程も記します。さらに、皆様に役立つと思われる作業における様々なワンポイントアドバイスを並べてみました。

①OKI白トナープリンタで受像紙に画像印刷
②ラミネータ―でAB両シートを接着
③プレス機で熱をかけてからBシート剥離・白色接着層の転移
④プレス機で画像部の生地への転写
⑤プレス機で再プレス

<ワンポイントアドバイス>
①OKI白トナープリンタを使用する
当社は販売するべきかどうか検討のため、国内外各社のプリンタ、低価格白トナーなど、様々な商品の品質確認を行ってきました。結論は、計画を全て放棄した上での、OKI白トナープリンタの発売でした。

白トナーの濃度が違います。低価格プリンタをお買いになって、白トナー、黒トナーを入れ替えての二回通しは手間です。紙の熱収縮があり、印刷位置もずれます。お勧めできません。OKI白トナープリンタ販売元となった当社は最低価格でご提供できます。ぜひご検討下さい。

②ラミネータ―でAB両シートを接着する
Aシートに載った画像部も、Bシートの白糊層も表面はいわばフィルムです。熱プレスで押し付ければエア溜りが出来易いです。圧力を強くしてもそれが小さくなるだけで、転写不良の原因になります。小さな柄が散在する画像の場合はエアを閉じ込めるリスクは少ないのですが、べた面積が大きい場合は問題です。ホットラミネータ―で空気を追い出しながらAB両シートを圧着することを勧めます。この原理は各商品共通と考えています。


ラミネーターでAB両シートの圧着がお勧め

③カス取り作業
競合転写紙の中には、白糊層の転写が不完全で、画像輪郭部に余分な白糊層がはみ出してカスとなるものがあることを本稿の冒頭で記しました。このカス取り作業についての説明が商品マニュアルに記されているということは、異常なことではないのかも知れません。
SB DARKではこの作業はありません。

④画像の割れ、その他
生地の洗濯後に画像の割れが現れたり、画像一部の脱落が出易い転写紙もあります。割れは、白糊層の性質に大きく起因すると考えています。割れ問題でお困りの場合は、商品の切り替えをお勧めします。季節や、転写条件の差、あるいは商品の劣化によるものなのでしょうか、Aシート印刷時にべた部に色むらが発生し易いものもあるようです。私どもがテストしたAシートは、乾燥させたり、プリンタの用紙設定を厚紙に選び直したりしましたが問題を解消できませんでした。添付写真のようにAシート上の画像色むらは、生地への転写後も残るようです。


Aシート上画像色むらは、生地転写後も残る

 

★4)不良率が高い

さて、いよいよ、不良率の高さについてです。ここに大きく関わるのが、AB両シートの剥離作業の難易度です。
説明が長くなるので、本稿はここまでにして、次回の続編2で詳細させて下さい。
確かなご説明が出来るよう、社内データ取りを進めます。次回更新情報記事をご用意するまで、少し猶予を頂きます。

 

それでは、次回【続編2】までお待ちください!

★追記関連情報★
2019/09/04:「濃色生地Tシャツ用転写紙SB DARKのご案内【続編2】」をUPしました!
https://sanryunews.com/2019/09/04/sb_dark_toner_transfer_sequel2/

 

【弊社出展】OGBS 2019のご案内

 

2019年9月20日(金)~21日(土)に東京・池袋サンシャインシティで開催される『オーダーグッズ・ビジネスショー2019』に出展いたします。

オーダーグッズ・ビジネスショーとは、ハンコやスタンプ・ウエアプリント・オリジナルグッズなどに関連する商材や機器が一堂に集まる展示会です。

※OGBS 2019の詳細情報は下記URLへ
http://ogbs.jp/

 

特許申請中の新商品『トナー転写紙SB-DARK』をはじめとした下記の弊社商品を展示予定です。
※展示内容は変更する場合がございます。あらかじめご了承ください

【弊社展示予定内容】

◆トナー転写紙 SB-DARK(濃色地向け“抜ける”転写紙)
細かな画像も表現可能な特許申請中の新しいトナー転写紙

関連ページ
https://sanryunews.com/2019/05/31/sb_dark_toner_transfer/

◆シンプリ・システム(非加熱転写システム)
熱をかけられない素材への転写を実現する非加熱転写システム

関連ページ
https://sanryunews.com/category/simplisystem/

◆白トナー搭載プリンタ OKI Pro8432WT
SB-DARK、シンプリ・システムでご使用いただける白トナープリンタ

◆エア駆動熱プレス機 MA AIRMOD P1型
エア駆動で高圧力も楽々。作業性をアップさせる熱プレス機

関連ページ
https://sanryunews.com/2019/06/20/shockline_ma_airmod_p1/

 

【出展ブース】
展示ホールD(文化会館2F)、ブースNo,36(株式会社サンリュウ)

 

弊社の展示予定内容にご興味ございましたら、是非ブースにお越しください。

 

ITMAショーで発表された新商品紹介1

 

スペインのバルセロナで6月20~26日の期間に開催されたITMAショーより弊社社員が得た情報の中から、新商品をご紹介いたします。

※ITMAショー詳細(2019/5/13更新記事「ITMAショー視察に出かけてみませんか」)
https://sanryunews.com/2019/05/13/itma_show_2019/

 

弊社が取り扱っている転写紙メーカーのColdenhove社は、綿やナイロンに加飾できる顔料インク用の転写紙「TEXCOL」を発表しました。

◆TEXCOLのサイト◆
https://www.coldenhove.com/products/texcol/

今まで綿には反応染料を使った染色や捺染顔料を使った印刷がメインでした。どちらも前後処理が必要で手間がかかり敬遠されてきました。

今回Coldenhove社が発表したTEXCOLは、捺染顔料インクでTEXCOLに印刷し、熱処理機で190℃/45秒の処理を行なうだけです。綿へ前処理や洗浄作業が必要ありません。短時間の熱処理なので輪転機を使ったRoll to Rollにも対応できます。

綿、ナイロン以外に、ポリエステルにも可能です。耐光性が求められる屋外設置の用途に使用できます。

Coldenhove社は世界中の販売店の中の数社から販売をスタートします。弊社は販売可能な販売店になりました。

サンプルが到着次第、テストをお受けいたします。

ご興味のある方は、弊社にご一報ください。

 

弊社開発フードプリンターの近況3

 

2019年7月9日(火)~12日(金)に東京ビッグサイトで開催される『FOOMA JAPAN 2019 国際食品工業展』に出展いたします。

FOOMA展とは、食品機械・装置および関連機器に関する技術ならびに情報の交流と普及をはかり、食品機械の最先端テクノロジー、製品、サービスをを提案する展示会となっております。

※FOOMA JAPAN 2019の詳細情報は下記URLへ
http://www.foomajapan.jp/

 

今回は、アイスコーン印刷用プリンターを初披露いたします。

円筒形用のプリンターは今までにありましたが、今回披露いたします円錐形のプリンターは世界的に見てもありません。

今回のような食品用途や、それ以外の用途でも可能性が広がるプリンターになりますので、円錐形の対象物へのプリントにご興味ございましたら、是非ブースにお越しください。

 

【出展ブース】
サマック株式会社 様ブース内にて(ブース番号:西1H-31)

※出展社情報は下記URLへ
http://www.foomajapan.jp/exhibitor_info/exhibitor_details.php?u=1400109

 

弊社開発フードプリンターの近況2

 

弊社開発フードプリンターの近況1』でもご紹介した、可食インク インラインプリンター IL-168が新たに2台オーダーとなり、現在、川口工場で製造中です。

1台は今月中に出荷、もう1台は来月出荷の予定となっております。

※IL-168の詳細情報は下記URLへ
https://www.sanryu.com/print/flatbed02.htm#IL-168

 

国内・海外を問わず、多くのお客様からお問い合わせをいただき、順調に販売をしております。

「うちのこの商品にプリントできる?」などの簡単なお問い合わせからはじまり、弊社からのご提案や事前のサンプル確認など、製品の特長をよくご理解いただいた上で販売しております。

弊社では、機械導入前後の不明点やご不安な点を解消していただけるよう努めております。

 

また、FDA準拠のインクもご用意しております。

FDA(Food and Drug Administration)とは、米国食品医薬品局のことを指し、米国の「食品、医薬品及び化粧品に関する法律」の施行に携わる政府機関です。

現在、FDAが定める規格を満たしていることが国際的な標準となっており、安全性や有効性の基準とされています。

 

IL-168を使用したサンプル作成などもお気軽にお問い合わせください。

 

弊社開発フードプリンターの近況1

 

可食インク インラインプリンター、IL-168の製造作業を行っています。

インラインプリンター IL-168は、大量生産のお菓子等に印刷するために開発をしたフードプリンターです。

※IL-168の詳細情報は下記URLへ
https://www.sanryu.com/print/flatbed02.htm#IL-168

 

2019年7月9日(火)~12日(金)に開催される『FOOMA JAPAN 2019 国際食品工業展』に向け、川口工場でIL-168をオーバーフォール中です。

※FOOMA JAPAN 2019の詳細情報は下記URLへ
http://www.foomajapan.jp/

 

今回は、プリント状況が見やすく確認しやすいようにカバーを変更しました。

お客様からの貴重なご意見・ご要望を活かし、改良を重ねています。

ご興味ある方は、FOOMA展にて詳しくご説明いたしますので、事前にご連絡ください。

 

SHOCKLINE社製 エア駆動熱プレス機のご紹介

戦略的 超低価格設定 41万8千円(税込)! ! !
SHOCKLINE社 エア駆動熱プレス機
MA AIRMOD P1型(プラテンサイズ 350mm×450mm)

1.低価格なエア駆動熱プレス機のご紹介

弊社では、これまでお客様のニーズに応えるべく、様々な小型熱プレス機(A3サイズ用)を取り扱ってまいりました。
Tシャツへの画像転写に利用されるお客様には、少量印刷から大量印刷まで、様々なお客様がいらっしゃいます。

少量印刷には手動式熱プレス機で十分なのですが、大量印刷を業務とされるお客様で、特に女性が作業を担当される場合には問題になることがあります。過去には、「腱鞘炎になりそう」という悲鳴を聞いたこともあります。
対策は、エア駆動型熱プレス機の導入です。
加圧作業は、腕の力を使わずボタン一つです。長時間作業も問題になりません。
問題は機械の価格でした。今回のご紹介商品は、先進国の品質を持ちながらも、超低価格設定をしたエア駆動熱プレス機です。

2.20年以上の製造実績・イタリアのSHOCKLINE社

海外製品には、安いけれども精度が低い、部品がすぐ入らない、故障時のフォローが迅速には受け難い、などの負のイメージをお持ちのお客様がいらっしゃると思います。
そのようなイメージ通りの製品があることは否定できません。
弊社の現在のラインアップは、このようなことに注意を払いながら、お客様のご評価と独自の情報収集力をもとに、安心してお使いいただけると判断し、厳選したものからなっています。
ただし、正直、安心できる先進国のエア駆動機は購入をためらうほど高価でした。普及しているのは圧倒的に手動機の方です。

SHOCKLINE社は、小型熱プレス機を20年以上製造し続けるイタリアの会社です。
そのエア駆動機『MA AIRMOD P1型』の弊社の仕入れ値は決して安くありませんが、利益を圧縮して戦略的超低価格設定をしました。女性を労苦から解放しようという弊社の挑戦です。

3.価格と作業性

これまでの当社取り扱いの先進国機種は、通常価格で50万円以上、特価でも販価45万円程度でのご提供が限界でした。米国メーカー機種の米国販社の特価でも最低で40万円レベルのようです。
MA AIRMOD P1型の設定特価は41万8千円(税込)にしました。

現場では、作業性や操作性が重視されていると思います。
手動機の圧力調整は作業者が経験による感性を用いて、何度も確認をとりながら行います。
エア駆動機なら、圧力を目盛り設定してプレスするだけです。
プラテンの持ち上げも、タイマー設定を行えば自動上昇させられます。
使用する転写紙ごとに異なる転写条件の再現が容易にできるので、リピートオーダーにも対応しやすくなります。
このように、作業改善が図れれば、コスト削減から収益増につながり、有益な設備投資となるはずです。さらには、女性の職場定着率向上にもお役立て頂けるものと確信しています。

熱プレス機ご検討の際には、ぜひ弊社からお勧めしたい1台です。

◆SHOCKLINE社 熱プレス機:MA AIRMOD P1 仕様詳細◆

【プラテンサイズ】
・平面プラテン:350mm×450mm
・機械操作:プラテン上下開閉はエア駆動、その後の水平移動は手動

【駆動方式】
・エア駆動

【その他】
・機械サイズ(mm):W600×D700×H670
・重量:75kg
・AC220V / 1800W 8.2A
・設定方式:デジタル表示(時間、温度、カウンター)
・設定温度:最高200℃

【価格】
特別設定価格 41万8千円(税込)

4.その他の機種

SHOCKLINE社は、エア駆動熱プレス機『MA AIRMOD P1型』の他に、もちろん手動機も製造しています。
また、手動機、エア駆動機の両方とも2台のテーブルを持ったダブルベッド式があります。
隣のテーブルで転写中に、開いているもう一方のテーブルにTシャツをセットできるので、高速印刷作業向けには威力を発揮します。

◆SHOCKLINE社・熱プレス機種類
・手動機 MA PREGI 35N1
・手動機 MA PREGI 35N2(ダブルベッド式)
・エア駆動機 MA AIRMOD P1型
・エア駆動機 MA AIRMOD P2(ダブルベッド式)

これら機種の価格はお問い合わせください。

濃色生地Tシャツ用転写紙SB-DARKのご案内

伸びる、精密、安い!

濃色生地Tシャツ用転写紙『SB-DARK(特許申請中)』のご紹介!

 

セルフウィーディング型転写紙です

インターネット検索で「Self-Weeding Transfer Paper」とかの英単語を入れると、濃色生地Tシャツへのトナー画像転写動画が沢山出てきます。画像の無い余白部に薄いフィルム層が付着すると生地の風合いが変わるので、トナー画像転写でもスクリーン印刷のように画像部だけ生地に付着させることが望まれてきました。セルフウィーディング型転写紙は、カッティング機を使用せず、余白部の糊層が除去される新しいトナー転写紙です。

濃色生地用セルフウィーディング型転写紙の多くは、トナー画像を形成する受像紙(Aシート)と、白糊層を形成した糊層転写紙(Bシート)の二種の転写紙から構成されます。AB両シートを向き合わせて熱圧着させてからBシートを引き剥がすことで、Aシート画像側に糊層を一旦転移させ、さらにそのAシートを生地に熱プレス転写させて転写を完了するツーステップ転写紙です。

↑ ワンステップ目の転写工程

多くの商品紹介動画は販売目的の説明ですから、簡単な手順で問題無く転写が終わる印象を与えるよう編集されています。けれども、結果として得られる実際の印刷物と、問題無く転写まで終える作業難易度は動画では分かりません。本稿では、皆様の商品選択を間違いないものにするため、素材や作業性について、これまでの当社の経験からの解説をしてみたいと思います。

なお、光走査法にレーザー方式と LED方式があるので、プリンタ名称はレーザープリンタでなく、トナープリンタと統一しました。又、この解説記事では、白地をカッティングによって得る従来の転写フィルムは除外しています。セルフウィーディングという、カッティング工程無しに白糊層の付いた画像部のみが転写される転写紙に限定して解説して行きます。

 

◆Bシート白糊層の役割

濃色生地Tシャツに転写する画像の下地白色には、生地の色に負けない高い隠ぺい性が求められます。

白色層は、今期から当社が発売元となったOKIデータの白トナー搭載プリンタ・型式 Pro8432WT(CMY+Wの4色機)などで作成できますが、トナーだけでは脆く割れやすく、生地の伸縮に追随できません。生地への密着力も不十分です。柔軟性ある糊層の補強が必要です。この糊を画像に付与するのがBシートです。

↑ OKI Pro8432WT トナープリンタ

ここで最初のご注意です。メーカーに拠っては糊層に柔軟性があまり無いため、転写された画像が割れやすい転写紙があります。他社商品をお使いで、洗濯後の画像割れでお困りの場合はご相談ください。

 

◆セルフウィーディングを可能にする素材構成

さて、刃物を用いての余白部カッティングを行なわないので、AB両シートを合わせての糊転写では、画像層に載った部分だけ糊層がちぎり取られなければなりません。ちぎり取られてBシートからAシートの画像側に転移するよう、Bシートのベースシート表面には剥離層が形成されているのが通常です。ただし、画像の無い部分の糊層は、ベースシートに残さなければいけません。剥離層の上なのに剥離して欲しくないという矛盾する要望に対応しなければなりません。矛盾する要望を可能にする素材は、どのようになっているのでしょうか?

↑ Bシートの素材構成フィルム

先ず、フィルム(糊層=ウレタンなどの熱可塑性樹脂から成る接着層)が自由な形でちぎれる条件です。高温にして軟化させれば良いのです。ただし、軟化したフィルムが画像以外の部分(余白部)に付着しない条件も要ります。表面を石ころの層で覆えば、物に付着し難くなります。石ころに酸化チタンなどを選べば、白色が補強されるので好都合です。Bシートの素材構成は、ベースシート/剥離層/接着層/白色層の四層になります。

では、画像部にはどうして付着するのでしょうか?

この答えも簡単です。トナーが、ホットメルト接着剤だからです。ホットメルト接着剤は必要な温度まで下がってくれば、相手側が石ころでも固着します。AB両シートを合わせて熱プレスした後、冷ませば、画像は白糊層と固着する訳です。ここで、意地悪な質問です。「高温で軟化していた白糊層が冷えたら、ちぎれにくくなるのではなかったですか?」、さらには、「トナー画像も最終工程では生地に転写されるのですから剥離層に載っているはず。画像がBシートに逆移行しないのですか?」

 

◆白糊層の転写紙

↑ トナー画像、接着層の粘度変化

答えの前に添付グラフを見てください。画像を構成するトナーと、Bシートの接着層の温度・粘度特性を表しています。熱プレスで両者が軟化した後、プラテンを開放して放置すれば、トナーと接着層の両方とも冷却して粘度が上昇して行きます。図のように、トナーの粘度上昇カーブがより急傾斜なため、接着層よりもトナー画像層粘度が早く上昇して接着性を発現します。糊層に固着すると同時に、下地の剥離層との密着性も高まります。トナー画像のBシート側への逆転写は起こり難くなります。

ただし、温度が下がり過ぎれば、粘度が上昇した糊層の切れが悪くなり、糊層の剥離層への密着性も高まるので、悪い結果が出ます。温度によっては、画像のBシート側への逆移行も起こり易くなります。ワンステップ目の転写工程は、このように限られた温度範囲内で行わなければならない難しい作業なのです。転写の適正温度範囲を外れれば、シャープに切れた白糊層の移行は行なわれません。

業界各社の商品説明で、「A3は難しいので、A4サイズ転写紙で経験を積んでから行うよう」薦めているのは、サイズが大きいほどワンステップ目の転写での剥離作業時間がかかり、転写の適性範囲を外れ易くなることが理由です。

 

◆サンリュウの特許申請手法

当社が特許申請した濃色生地用セルフウィーディング型転写紙「SB-DARK転写紙」は、ワンステップ目の転写工程の難しさを考慮して、素材の構成を変え、適性転写作業温度範囲をより広くしようと試みたものです。合わせて、精密な画像を転写できるよう、接着層のちぎれやすさを高めようともしたものです。その優れた結果が、私どもに特許申請を決意させました。ですから本稿での二つ目のご注意は、「濃色生地用セルフウィーディング型転写紙で小さな点などが転写出来ない。精密画像は駄目」とあきらめないで下さいということです。5月現在でまだ未公開特許なので、詳細説明は控えさせていただきますが、ご使用を開始されたお客様からは、「今まで諦めていた細かな線や点が転写できる。画像表現範囲が広がった」と、大変喜んでいただいています。

↓ ↓ ↓ 画像を拡大して違いをお確かめください ↓ ↓ ↓

↑ 転写画像の精密性比較 SB-DARK転写紙(左) , 従来の転写紙(右)

添付写真はご参考です。左側がSB-DARK転写紙、右側は従来の転写紙を用いての画像再現精度です。子供の周囲に散らばる無数の小さな点の数が違います。圧倒的にSB-DARK転写紙の再現性が優れるのがお分かり頂けると思います。

価格をご心配ですか?価格は、業界で一番の低価格設定になっていると思います。それを可能にする素材を選びました。洗濯堅牢度試験のA-2法結果は、5級が最大のところの4-5級でした。十分な強度と思います。

 

品質確認のための生地転写サンプル、生地へご自身で転写されるための糊層転移済みのAシートのご希望、あるいは当社市場開発部隊の出向実演などのご希望があればご連絡ください。

 

★追記関連情報★
2019/08/08:「濃色地Tシャツ用転写紙SB DARKのご案内【続編1】」をUPしました!
https://sanryunews.com/2019/08/08/sb_dark_toner_transfer_sequel1/

2019/09/04:「濃色生地Tシャツ用転写紙SB DARKのご案内【続編2】」をUPしました!
https://sanryunews.com/2019/09/04/sb_dark_toner_transfer_sequel2/

 

(株)サンリュウ 市場開発部一同【中西、今尾、熊谷】

TEL: 048-446-6786

 

 

市場開発部を三名体制に強化しました

営業技術職2名を採用して、当社の市場開発部を4月から三名体制に強化しました。

「市場開発部って、なにそれ?」と、訝しがる方もいらっしゃるかも知れないのでご説明させて下さい。

営業が苦手な当社は、代わりに、高い技術力、商品力、情報力を持つことに注力して来ました。多くの取得特許や、保有する競争力ある商権はその結果です。これまでは営業に出なくても何とかやってこれましたが、お客様に当社を見つけていただくというのは甘えでした。今は、当社開発技術や、世界一の商権をお客様にお伝えすることも大きな役割と考えを新たにしています。

当社の市場開発部は、広報という営業の一部の役割を担います。しかし、一般的な営業部と違い、技術や商品をお客様に販売することを目標としません。目標は、当社技術や商品を市場の要望に合うように活用されるお客様のご支援です。お客様と共に商売を創造することが目標です。ですから、当社技術・商品を個々のご要望に合うよう修正、適合化させる作業を進んでお請けします。

今までは一名体制だったので、情報発信にも訪問支援にも限度がありました。三名体制に強化したこれからは、訪問依頼も積極的に受けようと思います。

新体制での最初の取り組みを、※self weedingタイプ(カット不要)特許申請中の転写紙、SB DARK(濃色地用) とマジックトリム(淡色地用)両転写紙の普及と設定しました。詳細は別途資料をご用意しますが、長所は、繊細な転写が可能、作業が容易、圧倒的な価格競争力です。

まずは関東圏内優先ですが、訪問指導もお請けしようと考えています。ご興味のある方はご連絡ください。

※self weedingタイプ=余白部のカッティング除去無しに、トナー画像部のみ生地に転写されるタイプ。

 

マルチパス方式とシングルパス方式の違いについて

一般的なインクジェットプリンタはマルチパス方式(またはシリアルヘッド方式とも言う)で、プリントヘッドが往復しインクを滴下します。この往復をPass(パス)と呼び、2 Passなら、プリントヘッドが往復し2回重ね印刷を行なって品質を上げていきます。重ね印刷を行なうので、高濃度・高品質の印刷品質が得られ、主に写真画像など高品質な印刷に適しています。

マルチパス方式(シリアルヘッド方式)

シングルパス方式(ラインヘッド方式)

シングルパス方式(またはラインヘッド方式とも言う)は、プリントヘッドを固定して搬送装置が移動し1 Pass印刷を行ないます。搬送装置の速度は 「50m/分 以上」の高速で印刷することができます。
印刷処理能力が高く、ラベルの様な大量印刷に適しています。
1つのノズルが詰まると、印刷結果で顕著に現れます。安定した印刷品質を得るために、プリントヘッドとインクのマッチングや乾燥適正、インク吐出周波数の調整など高いハードルがあります。

EPSONさんやCanonさんなど大手プリンターメーカー各社では、ラベル用途の小型モデルでシングルパス方式が採用され始めています。MS社やDUST社などの産業用プリンターメーカーの多くでも、生産機という位置づけのシングルパスプリンターがラインナップされています。Memjet社では廉価で222mm幅の広幅プリントヘッドが発売されています。インクジェット分野は速いスピードで進化をしていて、さらに印刷能力のアップとコストダウンが同時進行しています。

既存技術であるオフセット印刷やシルクスクリーン印刷に取って代わるシングルパス方式が主流になる時代が確実に近づいています。

最後に、弊社の可食プリンタは、マルチパスプリントとシングルパスプリントの両装置をラインナップしています。

フードプリンタNF4450-E3(マルチパス方式)

マルチパス方式(シリアルヘッド方式)

フードプリンタIL-168(シングルパス方式)

シングルパス方式(ラインヘッド方式)